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八千代エンジニヤリングが毎月お届けするちょっとイイ話

地域協力 大地震に地域で立ち向かおう!

  • 社会計画
いつ起こるかわからない自然災害に対して、今から将来のために始められる取組みは何か?今月は、阪神淡路大震災発生当時の教訓をもとに考えてみます。

大地震は突然に

大地震は突然に

Written by TAKAMORI Syuzi 高森秀司

1995年1月17日(火)5時46分52秒。阪神淡路大震災が発生し、死者6,434名、負傷者43,792名と言う戦後最大の災害となりました。あれからもうすぐ16年が経ちます。

photo:
JR山陽新幹線(西宮市上大市付近)

阪神・淡路大震災のその時に、被災者の命を救ったものは -

地域住民と自衛隊や消防による救出活動の割合 【図1:地域住民と自衛隊や消防による救出活動の割合】
※グラフの中の数字は、「大規模地震災害による人的被害の予測」
京都大学 河田恵昭「自然災害科学VOL.16」より引用

災害による被害発生を抑えるためには、建物の耐震補強など、ハードによる取組みが重要です。阪神・淡路大震災は早朝に発生したため、ほとんどの市民が自宅にいたと考えられています。6,434名を数えた死者の約90%は、家屋や家具類等の倒壊による圧迫死と推定されており、その後の耐震改修促進法の制定と耐震改修促進計画策定の動きにも繋がりました。

その一方、迅速な救助活動によって少しでも犠牲者を増やさないためには、ソフトによる取組みも有効です。地震発生直後には、行政も自衛隊も助けには来られません。倒壊した建物の下にいる人達を助けたのは、地域住民による助け合いの力だったと言われています。



長期間・広範囲にわたる災害被害への対応

大地震をはじめとした自然災害が発生した場合、倒壊した建物による圧迫死などの1次被害や火災等によって生命や財産が失われる2次被害を中心とした話が多く語られます。しかし実際にはそれ以外にも、ライフラインの途絶や住居の倒壊等による生活再建の長期化や、事業者の事業が継続されないことによる地域経済の停滞など、長期間・広範囲にわたって被災者の生活再建に及ぼす影響があります。

特に事業者にとっては、事業が中断することによる間接被害(本来得られたはずの売り上げが得られないこと等)が、直接被害(建物被害の発生と建替え費用等)を大きく上回ることがあり得ます。

事業者の事業継続が図られるかどうかは、従業員である地域住民の生活再建への影響も大きく関わり、地域社会にとっても重要な問題です。その対応として、事業者の事業継続計画(BCP)の策定の動きが進んでいます。阪神・淡路大震災以後も、大規模な地震が幾度か発生していますが、BCPの策定の有無により、被災後の事業復旧までに大きな差が表れたという事例もあります(例として、あらかじめBCPを策定していた事業者では、被災後1週間で事業を再開し、2週間後には全面復旧したというケースがありました。一方でBCPを策定していなかった事業者の中には、全面復旧までに約8ヶ月を要したというケースもありました。)。

災害による直接被害と間接被害 【図2:災害による直接被害と間接被害】


災害に立ち向かうのは誰か?

これまでは災害に対して、行政が盾となった取組み(公助)が中心となって進められてきました。しかしながらこのことは、社会が行政に依存しきった防災体制になっていることの証しでもあります。

さらに言えば、実際に災害が起きた時、行政が全てを対応するということは困難なのが現実です。このことを踏まえると、私たちはいつか来る自然災害に対し、地域で暮らしを営む住民、事業者、行政のそれぞれが自らできることと協力できることを今一度整理し、三身一体で災害に対峙する体制へと地域社会の体質改善を図っていくことが重要です。

図

yecは、地域社会が一体となって、安全で安心して暮らせるまちづくりに取り組む-そんな社会を提案します


現在、内閣府などにおいて「新しい公共」と呼ばれる概念の検討が進められており、地域社会を構成する住民、事業者、行政の役割は大きく変化している時代にあると言えます。

大規模な自然災害は、なるべくなら一生涯経験したくないというのが正直なところですが、自然災害は必ず発生します。「災害と如何に共存するかという条件下で、どんなまちづくりを進めていくのか?」私たちyecは、それぞれの地域が選択を迫られている中での一つの解として、『地域社会が一体となって災害に立ち向かい、安全で安心して暮らせるまちづくり』に向け、これからも社会と関わっていきたいと考えています。yecではこうした取組をDCM(District Continuity Management:地域継続マネジメント)と名付け、この新しい概念の確立、普及、災害に負けない地域・企業づくりの支援等の具体的な活動を通じて社会に貢献することを目的として一般社団法人DCM推進協議会を設立し活動を始めています。

※例:「新しい公共」円卓会議(←内閣府HP)など

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