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八千代エンジニヤリングが毎月お届けするちょっとイイ話

スノーシェルター 公共交通機関の雪害対策

  • 道路・鉄道

幼い頃は雪が降ると無邪気に喜んでいましたが、大人になると喜んでばかりはいられない”雪”という存在。今月は、雪による被害に対しどのような対策をしているか、鉄道を主な事例としてご紹介します。

雪と上手に付き合うために

雪といえば?

Written by KOJIMA 小島淳

冬といえば、皆さんは何を思い浮かべますか?
みかん、牡蠣、鍋料理、石焼きイモ、おでん・・・。食べ物ばかり挙げましたが、やっぱり『雪』ですよね。ここ最近は、暖冬の影響で関東ではほとんど雪が積もることはなくなってしまいましたね。

それでは、『雪』といえば何をイメージしますか。
子供の時であれば、雪合戦、雪だるまなど、楽しいことを思い浮かべますが、交通機関の運休や遅延、雪崩の発生など、日常生活を送る上ではさまざまな問題があります。

雪による障害とその対策

雪による障害は、気象や地域によってさまざまですが、交通機関(電車、バス)に影響を与えるのは、①積雪、②吹きだまり、③なだれです。
あまり聞き慣れない「吹きだまり」ですが、これは、雪が風で吹き寄せられて積もってしまう現象をいいます(写真2)。

積雪と吹きだまりと雪崩のイラスト

雪による被害を避けるための対策としては、図1に示すようにたくさんのものがあります。

主な防雪および除雪・消雪施設
図1:主な防雪および除雪・消雪施設
出典:「新編 防雪工学ハンドブック」(社)日本建設機械化協会

鉄道での防雪対策

日本では、豪雪地帯を走る鉄道路線も多くあり、安全な運行をするためにいろいろな対策がされています。その中の一例を紹介したいと思います。

積雪対策

道路で雪が積もり始めると、除雪車が真夜中に走って、翌朝には車が通れるように作業している光景を見たことがあると思います。実は線路上でも同じように除雪車が走っています。レールに積もった雪を、電車の前に取り付けられた「くの字」形の板で左右に押しとばして行きます(図2)。


上越新幹線に乗って、冬に新潟へ行かれたことのある方は、線路にたくさんの水がまかれているのを見たことがあると思います。これは、線路上に雪が積もらないようにするための装置なのです。
一方、東北新幹線では、レールの脇に雪が積もっても走れるように、レールからコンクリートスラブ面までの高さを高くしています(図3)。

また、除雪車が線路脇に飛ばした雪を側方の開口部から桁下へ落とせるようにしている事例もあります(写真4)。

  除雪車図2:除雪車
東北新幹線の工夫図3:東北新幹線の工夫
写真提供:(独)鉄道・運輸機構


側方開床式高架橋
写真4:側方開床式高架橋
提供:(独)鉄道・運輸機構
 

吹きだまり対策

線路への吹きだまりを防ぐ施設として、スノーシェルターがあります。線路をトンネルのように覆ってしまう構造物です。トンネルの坑口付近に多く見られます(図4)。構造としては、コンクリートでできているものや鋼製でできているものがあります(でも、電車に乗っていると、まったくわからないと思います。残念!)。

北陸新幹線飯山駅周辺のスノーシェルターイメージ図図4:北陸新幹線 飯山駅周辺の
スノーシェルターイメージ図
提供:(独)鉄道・運輸機構
 

スノーシェルターは、他にも以下のような場所で設置されています。


分岐器

分岐器は、線路の切り替え部分です。ここが動かなくなってしまうと、電車が走れなくなってしまうので、周囲をシェルターでカバーします(図5)。


分岐器(ポイント)
図5:分岐器を守るスノーシェルター

線路上

線路や駅全体を覆ってしまい、除雪作業を行わなくてもよいようにしています(写真5、6)。

札幌市営地下鉄南北線

写真5:札幌市営地下鉄南北線
東北新幹線八戸駅

写真6:東北新幹線八戸駅
 

yecではこんな仕事をしています

yecはこれまでにスノーシェルターとして、鋼製スノーシェルター、RCスノーシェルターおよびPCスノーシェルター桁(PC下路アーチ箱桁)の設計で実績があります。

これからも鉄道の安心・安全な運行を守るために様々な面から全力で支援してゆきたいと思います。


形式実績
鋼製スノーシェルター北陸新幹線、桑取川B外詳細設計
北陸新幹線、歌川B詳細設計他
RCスノーシェルター北陸新幹線、飯山上倉Bv詳細設計他(図4)
北陸新幹線、糸魚川中央橋りょう詳細設計
PCスノーシェルター
(PC下路アーチ箱桁)
北陸新幹線、桑取川B外詳細設計(図6)
  PC下路アーチ箱桁 図6:PC下路アーチ箱桁




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