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八千代エンジニヤリングが毎月お届けするちょっとイイ話

新時代を駆け抜けろ! 進化する日本の公共交通

  • 道路・鉄道

みなさんの日々の移動は、マイカーですか?バスですか?自転車ですか?今月の特集では、公共交通を利用することの大切さを取り上げ、今までに「見たことがない!」「聞いたことがない!」新しい公共交通について、少しだけ紹介したいと思います。

新しい交通のカタチ

公共交通を利用していますか?

Written by Yuya Tokuyama 徳山裕也

普段、通勤や買い物に何気なく利用している電車やバスなどの公共交通。都市部では利用者が多いものの、地方部ではマイカー利用がほとんどです。

しかし、公共交通を利用することは、様々な面で皆さん自身に良い影響をもたらすのです。

公共交通利用のメリット

①環境面から

皆さん、「エコ」という言葉をご存知だと思いますが、公共交通を利用することもエコなのです。「なぜ?」と思われた方もいると思います。

環境省では、2010年12月より「smart move(スマート・ムーブ)~地球にやさしい移動にチャレンジ!」というキャンペーンを開始しています。地球温暖化対策の一環として、"「移動」を「エコ」に。"をテーマに、よりCO排出量の少ない「移動」にチャレンジするというものです。例えば、移動手段をマイカーから自転車に変えればCO排出量はゼロになります。また、電車やバスなどの公共交通に変えれば、一度に多くの人が移動できるようになるので、一人当たりのCO排出量は減少します。そういう意味で、マイカーから他の移動手段に変えることは「エコ」なのです。


②健康面から

マイカーでの移動を公共交通や自転車、徒歩に変えることは、健康にも良い効果を発揮します。

土木学会では、交通手段別のカロリー消費量を図1のように算出しています。

公共交通に転換することで、電車やバス、徒歩の移動が増え、消費カロリーが増えることが分かります。メタボが気になる方は、通勤手段を公共交通に転換することで、体の変化に気付き始めるはずです。

図1交通手段別カロリー消費量

図1:交通手段別カロリー消費量
(データ出典:「モビリティ・マネジメントの手引き」P.188(平成17年5月 土木学会 土木計画学研究委員会編))
(画像出典:一般社団法人JCOMM(日本モビリティ・マネジメント会議))

③生活面から

公共交通に対する皆さんの意識は以下のようなものがあると思います。


  • 公共交通に対する意識
  • ♦自分の好きなタイミングで利用できない。
  • ♦電車やバスの時間に、自分の行動が拘束されてしまう。
  • ♦一回一回の運賃の支払いが面倒。
    (都市部ではICカード化で便利になりましたが、地方部では依然として現金支払いが原則のところも)

「公共交通は不便。マイカーが便利」という意識が、図2のような悪循環を生み出すのです。

図2公共交通が利用されなくなる負のスパイラル
図2:公共交通が利用されなくなる負のスパイラル

例えばバスであれば、このような悪循環に陥ったバス路線は廃止になります。廃止になれば、移動手段の残る選択肢はマイカーやタクシー、自転車、徒歩となり、ある程度目的地が離れていれば、おそらくマイカーやタクシーを選択することになるでしょう。

若いうちはそれで良いかもしれませんが、年をとって、マイカーの運転が難しくなったときはどうでしょう。バスや電車などの公共交通がないと、移動に関わる様々な問題が生じます。


  • 公共交通がなくなることによってもたらされる移動に関わる様々な問題の一例
  • ♦いつも通院している病院に行けない。
  • ♦スーパーに買い物に行けない。
  • ♦友達とのコミュニケーションの場である公民館に行けない。

上のような問題が生じないようにするためには、皆さんの積極的な公共交通利用が必要なのです。そして、その積極的な公共交通利用が、皆さん自身の将来の安全・安心・快適な交通社会を形づくっていくのです。


2013年11月、国土交通省では「交通政策基本法」という新しい法律を制定しました。この法律は、国が自治体、交通事業者等と密接に連携しながら、交通に関する必要な施策を推進するものです。こうした枠組みの中で、公共交通を今よりもっと充実させて、人にも環境にもやさしい交通社会を実現させようとしているのです。皆さんがもっともっと移動しやすい時代が来ることを目指して、いろいろな人たちが、まさにいま頑張っているのです。


このように公共交通は、様々な面で皆さんに良い影響をもたらし、皆さんが生きていくために必要不可欠なものなのです。

最近では、地域の交通事情の多様化、発想の転換に伴い、これまでとは違った新しい公共交通が生まれています。

新時代の公共交通1.DMV
ご存知でしたか?こんな公共交通があるのです!



DMV道路走行時
DMV道路走行時
モードチェンジ DMV線路走行時
DMV線路走行時
(出典:富士市)

DMV(Dual Mode Vehicle:デュアル・モード・ビークル)は、JR北海道で開発された、線路も道路も走ることのできる次世代型の公共交通システムです。道路から線路、線路から道路とモードチェンジすることで、乗り換え要らずの移動ができるので、まさに究極のバリアフリーと言えます。

静岡県富士市では岳南鉄道の線路を活用したDMVの導入が検討されています。

※yecは調査、分析、計画、事業化に向けたお手伝いをしました。

富士市の将来イメージ
図3:富士市の将来イメージ
(出典:富士市都市交通戦略<平成22年3月>)

新時代の公共交通2 コミュニティサイクル
最近は自転車も公共交通なのですよ!

「えっ?自転車って個人の乗り物だと思うけど!?」


真っ先にそう思うのではないでしょうか。

皆さんはレンタサイクルを利用したことはあるでしょうか?


「レンタサイクルって、借りたら元の場所に返さないといけないから面倒だよ。」


レンタサイクルに対して、このようなネガティブなイメージを持たれている方は多いと思います。私も実際そうでした。

しかし最近では、このレンタサイクル、進化しているのです!「コミュニティサイクル」という言葉を聞いたことはないでしょうか?レンタサイクルは貸出・返却の拠点が一箇所であることが多いですが、コミュニティサイクルは複数箇所にあります。

出発地と目的地の近くにその拠点があれば立派な移動手段となります。1台の自転車を複数の人たちと共用する、そういう意味でコミュニティサイクルも公共交通なのです。

アヴィレ       
富山市コミュニティサイクル「アヴィレ」

新時代の公共交通3 サイクルトレイン
自転車と電車のコラボ!

サイクルトレイン
サイクルトレイン
(出典:会津鉄道HP

レンタサイクル事業との組み合わせで、「サイクルトレイン」という事業があります。その名の通り、自転車をそのまま電車の中に持ち込むことができるのです。

例えば皆さんが自転車と電車を利用して学校や会社などへ行くとしましょう。

ここで「出来る限り歩きをナシ」にしようとすれば、自宅→(自転車)→駅→(電車)→駅→(自転車)→学校or会社と、2台の自転車が必要になります。しかし、自転車を電車内に持ち込めるサイクルトレインを使えば、自転車は1台だけでOKです(図4)。

サイクルトレインはすでに全国のあちこちで導入されています。

当社が導入のための調査と計画を担当した福島県の会津鉄道もそのひとつです。

福島県へご旅行、ご出張の際は、ぜひ会津鉄道のサイクルトレインをお試し下さい。

サイクルトレイン使用時の自転車使用台数
図4:サイクルトレイン使用時の自転車使用回数

※最近では、電車ではなくバスに自転車を持ち込む「サイクルバス」の事例もあります。


このように、日本の公共交通は進化し続けています。

皆さんのニーズに応えるべく進化し、様々なカタチで走り続けていくのです。

マイカーは確かに便利ですが、今一度公共交通の大切さを見直して、もう少しだけ公共交通を利用してみませんか?

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