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八千代エンジニヤリングが毎月お届けするちょっとイイ話

都市交通における自転車 自転車で街にでかけよう

  • 道路・鉄道

皆さんは、通学や通勤時の移動に何を使っていますか?今月は、”都市交通における自転車”をテーマに考えてみます。

快適な自転車ライフを送るために

自転車と私たち

Written by Tomohiro Yoshinaga 吉永智広

最近、自転車は「環境に優しい」、「健康によい」そして「お財布に優しい」乗り物として、大きな注目を集めています。

その反面、自転車が関係する交通事故の増加や、放置自転車問題など、解決しなければならない課題もたくさんあります。

自転車通勤を始めてみると...

最近、東京の朝の通勤風景は少し変わってきています。今までは、徒歩や自転車で駅に向かい、そこから電車で通勤というのが典型的な東京の通勤パターンですが、ここ数年は自宅から会社まで直接自転車で通勤する人が増えているようです。

そういう私も、3年ほど前から自転車で通勤しています。毎日自転車で通勤していると、季節の移り変わりを肌で感じることができ、結構気持ちのいいものです。メタボ対策にも効果抜群! 1年で10kg痩せました。

ただ、毎日自転車に乗っていると、「自転車って結構危ないな」と思うこともよくあります。信号無視する自転車、車道の右側を逆走する自転車、路地から突然飛び出す自転車など...、自転車にとって交通ルールはあってないようなものといった状況です。

これって何とかならないものでしょうか...。

朝の(私の)通勤風景
朝の(私の)通勤風景

自転車はどこを走ればよいのだろう

はじめに、少し硬い話で申し訳ありませんが、「道路交通法」の話をします。

道路交通法では、自転車は「軽車両」であるため、自転車は原則、車道の左側を走行することになっています。ところが、戦後のモータリゼーションの進展による自動車の大幅な増加と、それに伴う交通事故の増加等を背景に、昭和45年の道交法改正以降、「自転車通行可」の標識がある歩道については、自転車の通行が"例外的"に認められることになりました。

ところが、現実には自転車の歩道通行は事実上容認されてしまい、"自転車は原則車道を走行"から、"自転車は歩道を走行するのがあたりまえ"、さらに言うと"車道は危ないから歩道を走ろう"になってしまいました。

歩道は本来、歩行者が安全に通行するための道路ですが、我が物顔で走行する自転車は歩行者にとって脅威となり、自転車と衝突した歩行者が死亡するなどの悲惨な事故も起きています。一方で、自転車が車道を走行すると、自動車に幅寄せされたり、路上駐車の車両を避けるために車道中央に出ざるを得ないなど、危ない場面に遭遇する場面も多くあります。

一体、自転車はどこを走ればよいのでしょう...

道路を走行する自転車の大群
道路を走行する自転車の大群

車道右側を逆走する自転車
車道右側を逆走する自転車

自転車道を整備するのが一番だけど...

自転車が"安全"で"快適"に走ることができる道路って何でしょう? 一番理想的なのは、自転車専用の道路である「自転車道」かもしれません。自転車道は歩行者と自転車、自動車の通行空間を物理的に分離するため、それぞれが交錯する機会は大きく減少し、安全性・快適性は格段に上がります。

ところが、我が国の道路幅員はまだまだ狭いところが多く、歩道すら満足に整備されていない道路もたくさんあります。また、一部の道路幅員が広い区間だけ自転車道を整備しても、その前後区間や交差する道路で整備することができなければ、結局は同じ問題が残ってしまいます。自転車道は"理想的"な道路かもしれませんが、全ての道路に自転車道を整備することは不可能です。

自転車道の整備例(東京都・三鷹市)
自転車道の整備例
(東京都・三鷹市)

突然終わってしまう自転車道
突然終わってしまう自転車道・・・

自転車は車道を走ろう!

では、どうすればよいのか...ここは、道路交通法の原点に立ち返って「自転車は車道の左側を走行」することを提案します。

車道を走行するのは怖い、危険だ」という声をよく聞きますが、それは「歩道を走行している気分(≒歩行者気分)のまま」車道を走行するからではないでしょうか。確かに車道を車と一緒に走行することは、初めは怖いかもしれませんが、"前をよく見て走る"、"周りの音をよく聞く"、"信号を守る"ことさえしていれば、実は車道の方が安全に走ることができます。

また、自転車は車道を走行した方が、自動車から「よく見える」のです。ドライバーは車道を走行する自転車のことを、「邪魔だなぁ」と思っているかもしれませんが、自転車が見えるからこそ「邪魔」と思うのです。歩道はガードレールや植え込み、看板などで見えにくいことも多く、歩道にまで気を遣って運転しているドライバーはほとんどいません。歩道から突然車道に出るよりも、ずっと車道を走っていた方が、実は安全なのです。

自転車レーンの整備例(東京都・世田谷区)
自転車レーンの整備例
(東京都・世田谷区)

自転車レーンがなくても車道を走ろう
自転車レーンがなくても車道を走ろう

道路はみんなでシェアしよう!

それでは、自転車で車道を走行するときには何をしたらよいでしょう?

それは、走行中の車に手で合図をすることです。前方に路上駐車車両があって、どうしても車道中央を走らなければいけないときは、右手を横に出して「今から車道中央に出ますよ」と後続車に合図しましょう。そうすれば、ほとんどのドライバーは少し速度を落として、前に入れてくれます。また、道を譲ってくれた車には手を挙げて「ありがとう」、相手に道を譲るときは「お先にどうぞ」と手を振れば、車も自転車も気持ちよく道路を走ることができます。

一方で、車を運転する人も「自転車は車道を走るもの」という意識を持つことが大事です。相手はたかが"自転車"。弱い立場の"自転車"に意地悪をするのは、大人げなく格好悪い行為ですよね。自転車も同じ車道を走る仲間として、大きな心で受け入れて欲しいと思います。

自転車は車道の左側が1mもあれば、安全に走行することが可能です。道路幅員に余裕のあるところは、自転車専用レーンを整備すればよいですが、たとえ自転車専用レーンがなくても、その1mを車が譲ってくれれば、車道で車と自転車が共存することは可能です。

少子高齢化の進行とそれに伴う人口減少社会の到来を迎える我が国では、新たに道路整備をするだけではなく、"今ある"道路を有効に使う、道路をみんなで"シェア"するという考え方も必要ではないでしょうか。

自転車に乗って街にでかけよう!

少し難しい話をしてきましたが、結論は、『みんなで"自転車"に乗ってでかけよう!』です。(笑) 自転車で街を走れば、いつもと違った"街"の姿が見えてきます。

おしゃれなカフェや美味しいお蕎麦やさんを見つけたり、「こんなところに公園が...」という発見もあります。また、まちの中の「道路・交通問題」や「環境問題」について考える"きっかけ"になるかもしれません。

これからは自転車に乗るには一番気持ちのいい季節です。みなさんも自転車で街にでかけてみませんか!


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