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地球温暖化対策 二酸化炭素はどこへいくのか?

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「地球温暖化」という言葉、テレビやラジオ、インターネットで見聞きしない日はないくらい一般的な言葉になりました。冬も暖かくなってきたような気がする...洪水を引き起こす大雨が増えていないか...暮らしの中でも地球温暖化のことを意識する機会が増えているのではないでしょうか。今回はその地球温暖化にまつわる話を掲載します。

地球のために、いま出来ること

地球温暖化とは

Written by MATSUI syota 松井翔太

地表に降り注いだ太陽エネルギーが温室効果ガスによって吸収され、宇宙への放射が抑制された結果、地表温度が適度に保たれるのが温室効果ですが、温室効果ガスの増えすぎによってそのバランスが崩れ、気温がどんどん上昇しつづけている、というのが地球温暖化現象のメカニズムとされています。これも皆さんご存知のことと思います。

今回は、今までとは少し目先を変えて、地球温暖化についてのおさらいと、新しい温暖化対策をご紹介したいと思います。

温室効果ガスはどこからくるの?

温室効果ガスとされるものは、二酸化炭素やメタンなど数多くあります。人為的に排出されている温室効果ガスの中では二酸化炭素の影響が最も大きいとされています。実際、我が国で排出される温室効果ガス量の約9割(二酸化炭素換算ベース)が二酸化炭素となっています。

その二酸化炭素はどこからくるのか。ほとんどが石油やガスなどの燃料使用や電力消費によって発生しています。いわゆる化石燃料によるエネルギー起源と呼ばれるものです。

過去に地球はほぼ一定の周期で気候変動をくり返してきました。しかし、この200年の間に起った気温上昇は、これまでの自然現象によるものと異なり、人為的に排出された温室効果ガスの増加によって引き起こされた可能性が高いと考えられています。

温室効果ガスは減っている?

ところで、実は我が国の温室効果ガス排出量は減少傾向にあるのです。環境省が2011年4月に公表したデータ(図1)をみてみましょう。2007年から2009年にかけて順調に減っているのがわかります。京都議定書の削減目標も達成しているように見えます。

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図1 温室効果ガス総排出量の推移
出典:平成23年4月26日環境省発表
「2009年度(平成21年度)の温室効果ガス排出量(確定値)について」

ただし、温室効果ガスの総排出量は減ってはいますが、みんなが温暖化対策を頑張ったから、というだけではないようです。環境省の公表資料には以下のような記述があります。

『前年度と比べて排出量が減少した原因としては、2008年度後半の金融危機の影響による景気後退に伴う産業部門をはじめとする各部門のエネルギー需要の減少が2009年度も続いたこと、原子力発電所の設備利用率の上昇等に伴い電力排出原単位が改善したことなどが挙げられる。』

要するに、あまりポジティブな理由で減ったわけではなさそうです。

豊かな暮らしのため、景気向上のためにみんなが頑張れば自ずとエネルギー消費は増えるし、原子力発電より火力発電の負担が高まれば発電時に発生する二酸化炭素排出量も増えます。

あなたもできる温暖化対策

地球温暖化対策としては、エネルギーの使い方を工夫して二酸化炭素の排出を抑えるのが一番効く、と言われています。エアコンの設定温度を調節したり、ムダな待機電力や照明のカットなどによる節電行動や、公共交通機関や低燃費自動車を利用するなど、ひとり一人が取り組める方法が多くあります。ケチじゃなくてエコを少し心がけるだけで良いのです。

たとえば家電が好きな人は、デザインや機能だけではなく省エネ性能もチェックするようにしてみてはいかがでしょうか。ちょっとした距離なら運動を兼ねて歩いたり自転車に乗ったりしてみてはいかがでしょうか。私も減量を兼ねて30分くらい歩いて通勤しています(体重削減約束は守れそうにありませんが)。みなさんも趣味や実益を兼ねて、無理なくできそうなことからはじめてみましょう。

温室効果ガスはどこへ行くの?

さて、私たち人間社会が絶え間なく吐き出し続ける二酸化炭素は、いったいどこに行っているのでしょうか。以下のような興味深いデータがあります。

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図2 排出された二酸化炭素の行方(2000年~2005年)
出典:IPCC「第4次評価報告書」をもとに作成

2000年~2005年の間の全世界で放出された二酸化炭素排出量は約72億炭素トン(二酸化炭素換算約266億トン)で、その半数以上が大気中に放出されているとされています。

注目すべきは陸域全体で吸収(森林固定含む)されるのが約9億炭素トンであるのに比べ、海洋全体で吸収(海洋生物による固定含む)されるのが約22億炭素トンと、海洋の吸収量が倍以上に多いということです。

ブルーカーボン

海洋生物によって固定された炭素は「ブルーカーボン」と呼ばれています。それに対して森林等によって固定される炭素は「グリーンカーボン」と呼ばれます。

海に囲まれた日本の海岸線延長は約3万5千kmもあり、世界でも屈指の長さを誇ります。海岸には多様な生き物を育み沿岸域の環境を守る藻場や干潟があり、将来の世代のためにも守り育てていくべき日本の美しい自然のひとつです。

ブルーカーボンは海岸に生息する海洋生物によって固定されます。海藻や貝類などの海洋生物たちは水質浄化能力をもちあわせており、沿岸環境の改善も期待できます。さらに効率的に回収できれば、資源やエネルギー源として有効利用できる可能性も秘めています。

ブルーカーボン。次に私がコラムを書くときには、一般的な言葉になっているのでしょうか...。

※地球温暖化問題についての情報は(独)国立環境研究所地球環境研究センター「ココが知りたい温暖化」に詳しく掲載されていますので、興味のある方はご覧ください。

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