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八千代エンジニヤリングが毎月お届けするちょっとイイ話

災害復興支援 小学校に井戸を贈る

  • 環境

私たちの生活に欠かすことの出来ない水。平成23年3月11日に起った東日本大震災の直後から、断水により多くの人が大変な生活を強いられました。

今月は、震災後に被災地で行った井戸掘りについてご紹介します。

~生きるための水~

Written by Yamamoto 山本晃

井戸を掘れ!

災害復興に欠かせない水を求め、yecを含むボランティアチームが水を確保すべく、岩手県内の小学校で井戸を掘りました!

「八千代さん、ボランティアに行こうよ!」

2011年3月11日に起った東日本大震災の後、日本地下水学会の前会長である信州大学の藤縄教授より、災害復興支援のお誘いを頂きました。その「被災地に無償で井戸を設置する」という心意気に感銘し、「是非とも!!」と参加を申し出ました。我々、ボランティアチームは、その志を同じくした産学官の混成メンバーで、藤縄教授を筆頭に、水文地質の専門家である八千代エンジニヤリング、井戸掘削のスペシャリストである鉱研工業(株)と(株)日さく、水質浄化装置の総合メーカーの(株)竹村製作所と被災地との太いパイプ役である岩手県土木技術振興協会からなるプロの技術者たちで構成されたチームです。

この中でyecは水文地質の知識を活かし、井戸の位置を選定する役割を担いました。

井戸掘削マシーン
井戸掘削マシーン
我らがチーム!
我らがチーム!

「おおっ!出ましたな!」

ここは岩手県大槌町赤浜小学校。東日本大震災の避難所です。平成23年5月12日、yecのボランティアチームは、地下25mの砂からなる地層で、見事、地下水を掘り当てました。避難所の約100人の方々の生活には1日に約40tの水が必要で、当時は給水車による給水とや周辺にある井戸による取水で、ある程度の水は確保されていました。

しかし、蛇口数や水栓の水圧が不足しており、これから夏を迎えるにあたり、新たな水の確保が課題となっていました。

地図
地下水を掘り当てた瞬間
地下水を掘り当てた瞬間
(掘削中のため濁っています)

水の供給を始めました

井戸に水質浄化装置、配管、蛇口等を取り付け、5月16日には避難所への水の供給を開始しました。

井戸水のマンガン濃度が水道基準をわずかに満足せず、残念ながら飲用には利用不可でしたが、風呂と洗い場に供給することで、避難所の日常生活を支援できました(1日に最大58tの地下水を供給できました)。

このニュースは、テレビ朝日全国版の他、地元テレビ、新聞等に取り上げられました。

揚水ポンプ設置完了
井戸内の洗浄作業を行いました。
写真提供:(株)日さく
揚水状況
毎分40リットルの清澄な地下水を
揚水しました。
写真提供:(株)日さく
揚水ポンプ設置
写真提供:(株)日さく

災害時の緊急用水としての地下水活用

この東日本大震災を始め、近年、日本で頻発している地震や風水災害に伴い、水道施設は大きな被害を受けています。被災して水道が断水すると、消火活動、医療活動、避難生活に必要な水が不足します。自然災害の多い日本にとって、災害時の緊急用水を事前に確保することは、人命に関わる重要な問題です。

地下水は、自然の中での水循環というの流れの中で、安定した水量と清浄な水質を確保できる点で非常に優れた資源です。この資源を大切に守るとともに、このように緊急用水として活用する取組みを広めるべきと考えています。

被害を受けた水道施設
被害を受けた水道施設
水循環の概念図
水循環の概念図
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