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八千代エンジニヤリングが毎月お届けするちょっとイイ話

土砂発電システム 知られざる身近なクリーンエネルギー

  • 河川・水工

yecでは、クリーンエネルギーを供給し続けることの出来る土砂発電システムの普及を目指して、研究開発を進めています。今月は、その取り組みについてご紹介します。 

クリーンエネルギーって何?

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 クリーンエネルギーとは、電気を発生させても二酸化炭素(CO2)や窒素酸化物(NOx)などの有害物質を排出しない、もしくは排出量が少ないエネルギー源のことです。近年、太陽光、小水力、風力等のクリーンエネルギーに注目が集まっています。

クリーンエネルギーには長所も短所もありますが、その例を紹介します。

【長所】
・エネルギー源が自然の力で供給され続ける。
・有害物質を排出しない、もしくは排出量が少ない。

【短所】
・施設1基あたりの発電量が小さいため、発電施設を多数設置する必要がある。
・発電単価が化石燃料と比較して高価になりやすい。face_f85-yokoo.jpg

近年、クリーンエネルギーがもつこれらの長所を活かしつつ、短所を減らす(コストを下げる等)といった取り組みが進められています。
 

 

 

 

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日本はよく「島国」という呼ばれ方をされますが、国土の約7割を山地が占める「山国」でもあります。山は私たちに自然の恵みをもたらす一方で、土石流やがけ崩れといった、人命・財産に大きな被害を与える災害を引き起こします。これらの災害対策として砂防堰堤や床固工等の防災施設を設置する取り組みが行われています。

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 また、避難路や土石流感知センサーの設置も進められていますが、この時重要となるのが電力です。避難場所への誘導灯や避難場所での明かり等、確実な避難活動には安定した電力供給が必要となります。

土砂発電とは、このように主に山間部への電力供給を目指し、防災施設を利用した振動発電技術によって発電することです。

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土砂発電システムは「バイモルアクチュエータ素子」という圧電素子を用います。(参考:TDK HP

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圧電素子の構造 

圧電素子とは、上の図のような数cm程度の形状をしており、振動で電力を発生させる素材です。この圧電素子と緩衝材を組み合わせることで、水や土砂の落下エネルギーを活用した土砂発電システムを開発しているところです。

土砂発電システムは通常の河川水を引き込んで行う水力発電と異なり、防災施設の真下に設置するだけで発電が可能です。そのため、水利権(河川の流水、湖沼の水等を排他的に取水し、利用することが出来る権利【河川法 第23条】)の申請が必要ありません。

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 土砂発電システムは、「すでにその場所で存在している」落水エネルギーのみを使うため、二酸化炭素(CO2)や窒素酸化物(NOx)などの有害物質を排出しない再生可能かつクリーンなエネルギーといえます。

河川には24時間365日、常に水が流れています。言い換えれば土砂発電システムに必要な動力である落水エネルギーも休みなく発生しているということになります。従って、私たちが寝ている間(夜間)にも発電が可能なシステムです。

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 八千代エンジニヤリングでは、土砂発電システムの開発・実用化を目指し、水理模型実験や設置適地の検討を行っています。

 現時点ではダム式や水路式と呼ばれる小水力発電方式と比較した場合、発電量は極めて小さいものとなります。また、防災施設の真下に設置することから維持管理計画上の課題もあります。このように発電量、設置コスト、維持管理等、土砂発電システムにとって乗り越えるべきハードルは多岐におよびます。しかし、新たな動力(水の落差)を生み出すことなく、クリーンエネルギーを供給し続けることの出来る土砂発電システムの普及を目指して、今後も研究開発を進めていきます。 

 

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