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八千代エンジニヤリングが毎月お届けするちょっとイイ話

スプリンクラーで安全走行 散水消雪設備

  • 道路・鉄道

日本が誇る高速鉄道「新幹線」は、日本の東西南北を結ぶ重要な交通機関です。その中でも上越新幹線、東北新幹線は、豪雪地帯を通っていますが、降雪による運行休止が少ないことで有名です。今回は、新幹線の雪国での安全走行を守る設備を紹介します。 

新幹線を守るスプリンクラー!?

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高度な技術の結集である新幹線車両の、雪国での安全な走行を守る、「散水消雪設備」には、意外にシンプルな装置が使われています。

それが、「スプリンクラー」。

さてさて、スプリンクラーでどうやって、新幹線を雪から守るのでしょうか…?

 

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数千人もの人を乗せて走る新幹線は、少しの積雪であれば「前に進めなくなる」ということはありません。

しかし新幹線には、高速で移動するがために起こる、「デリケートな雪の悩み」があります。

新幹線が高速で雪の上を通過すると、積もった雪が舞いあがり、車体に付着することで様々な弊害が発生します。

①積雪した軌道上を新幹線が高速で通過すると・・・?

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※実際は積もらないように対策がなされています。

 

②舞い上がる

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※万が一積雪が激しい場合は、速度を落として走行します。

 

③車体に付着して凍りつく

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この雪の付着に伴う弊害を防ぐために、雪国の新幹線の軌道には、「雪を積もらせない仕掛け」が備えられています。 

その「仕掛け」にはいくつかの方式があります。代表的なものは以下のとおりです。

(1)散水消雪方式
スプリンクラーを使って温水を散布し、軌道上の温度を0度以上に保つ方式。

(2)温水パネル融雪方式
内部に温水を流したパネルによって雪を溶かす方式。

(3)貯雪方式
軌道の間の深い溝に、雪を貯めておく方式。降雪量が少ない地域で有効。

今回は、この中から、八千代エンジニヤリング(株)が設計に携わった「散水消雪方式」についてお話しします。

 

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散水消雪設備は、スプリンクラーから軌道に向かって温水を撒き、「雪を積もらせないようにする」設備です。

温水によって軌道を常に0度以上に保つため、降った雪は軌道に着雪するやいなや、溶かされてしまいます。

スプリンクラーと聞いて、どんなものを連想しますか?

私ははじめてこれを見たとき、小学校頃に校庭で見たスプリンクラーと、まったく同じ形をしていたので驚きました。

ブシュッブシュッ、といって回転しながら水を撒きます。

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スプリンクラー
出典:鉄道建設・運輸施設整備支援機構

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 スプリンクラーから温水を撒くためには、温水を作って、送る必要があります。

また、撒いた水は、回収して、循環的に水を使う仕組みとなっています。

八千代エンジニヤリング(株)では、国内の複数の箇所において、この散水消雪設備の設計を行いました。

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水の流れ

 

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スプリンクラーの水が雪を溶かす

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 雪が降る日の新幹線の安全走行は、このような、座席の下の力持ちによって支えられています。

新幹線でスキーに出かけるときは、ホームの端から線路を観察してみてください。安全走行を守るスプリンクラーを発見できるかもしれません。

 

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