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八千代エンジニヤリングが毎月お届けするちょっとイイ話

道路を造る技術者 軟弱地盤との戦い

  • 道路・鉄道

道路は私たちの生活の中で最も身近な社会資本の一つです。今月は、高速道路の建設現場での軟弱地盤対策について紹介します。  

軟弱な地盤の上に高速道路を造る

Written by yanagihira masashi 柳平真志高速道路は、全国各地への移動を円滑にするネットワークを形成することで、私たちの生活の向上や、我が国の経済の発展に大きな役割を果たしています。また、大地震などの災害が起きた時は、救援、復旧活動の柱になり、私たちの安全を守る役割も担っています。
そのような重要な役割を担っている高速道路ですが、未整備区間も多く残っています。ここでは、私が現在施工管理で赴任している非常に軟弱な地盤の上に高速道路を建設している現場での対策について紹介します。 

 

 

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軟弱な地盤とは、緩い砂や多量の水を含んだ非常に柔らかい粘土、腐植土などで構成されている地盤のことをいいます。

土は、土粒子、水、空気の3つの要素で構成されています。土粒子と土粒子の間には隙間があり、その中は水と空気で占められています。その隙間を間隙と言います。軟弱な土とは水や空気を多く含んでいる、つまり間隙が大きい土で、重いものを載せるとすぐに変形してしまいます。私が担当している建設現場はそのような軟弱な粘土、腐植土が厚く堆積している地盤です。 

 

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【軟弱な土の構成図】

 

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高速道路は、一般道路と交差するため、高いところを通過します。そのため、盛土構造の区間が多くなります。この現場も盛土構造で通過する区間ですが、高さ10mの盛土を造ると、10mも沈下してしまうような全国でも例を見ない沈下が起きる超軟弱な地盤です。 img_f95-2.jpg

これだけ沈下すると盛土の周りの民地の地盤が大きく変形したり、高速道路完成後も沈下が続き、開通後に完成した道路が波打ってしまう、補修費に莫大な費用がかかる等の問題が起こります。また、地盤が弱いため、盛土自体がすべって(崩れて)破壊してしまう恐れもあります。 
 

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以上の問題を解決するため、道路の設計の段階からさまざまな対策方法を検討しています。ここでは、この現場で採用された対策についていくつか紹介します。 

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軟弱な土とは間隙の割合が多い土です。間隙を小さくすれば土は強くなります。そこで、水と空気を排除すればよいのです。

その方法として、カードボードという水をよく透す材料を軟弱な地盤に深く埋め込んで配置し、土の中の水を早く効率よく排水させる工法があります。同様な工法は海上に造られた羽田空港や関西国際空港でも採用されています。 

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【カードボードドレーン工法】

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盛土の材料を軽くすれば、地盤の沈下や変形は小さくなります。この現場では盛土材として発泡スチロールを使用しています。重さは土の約1/100で非常に軽く、また、強度や耐久性もあります。 

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【軽量盛土工法】

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軟弱な地盤にセメントや石灰を混ぜ、その化学作用により地盤を強くする工法があります。この現場でも数種類の工法を採用して、地盤の強度を高めました。 img_f95-5.jpg

【地盤改良工法】

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建設した盛土が急に大きく沈下していないか、盛土の周りが大きく変状していないかなどをチェックするために、毎日、地表面や地中の変形量を観測します。この観測をすることで、安定的に盛土工事が進んでいきます。 

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【ほぼ完成した軟弱地盤上の盛土。この後、舗装工事が始まります。】

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八千代エンジニヤリングは、全国で6箇所の高速道路の建設現場で建設工事に関する品質のチェックなどを行う施工管理の業務を行っています。これからも安全・安心に利用できる信頼ある道路の整備に貢献していきます。

 

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