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八千代エンジニヤリングが毎月お届けするちょっとイイ話

西アフリカ 道路物流の現状と課題

  • 海外事業

初めての海外業務として西アフリカの交通基礎調査に携わりました。その調査を通じてわかった西アフリカ内陸国の道路物流の現状と課題をお伝えします。

1,000キロを爆走する大型トラック

face_f100-iwai.jpg日本は周りを海に囲まれているため、多くの輸入物資は消費地近くの港で陸揚げされ、トラックで簡単に消費地まで輸送できます。今回ご紹介する西アフリカ内陸の国では、約1,000km離れた沿岸国の港で陸揚げされた物資を、車両の限界まで積み込んだ大型トラックで、傷んだ舗装の道路をドライバーが2週間近くかけて必死の思いで運ぶのです。

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西アフリカはサハラ砂漠の南側に広がるフランスの旧植民地を中心とした国々で構成されており、多くの国がフランス語を公用語としています。

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西アフリカの位置

 

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 サハラ砂漠に近い北側が乾燥して暑いステップ気候、海に近い南側は北側に比べるとやや涼しく雨も多めのサバンナ気候となっています。いずれの国も一年を通じて日中の気温は30℃以上であり、内陸のニジェール国の首都ニアメでは最高45℃以上まで達するという過酷な気候条件です。

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特に内陸では有力な産業がないため貧しい国が多く、地方部では主に自給農業にて生活しています。年間の平均一人当たり国民所得はニジェール国が57,000円と低く、国際的な援助が必要不可欠な状況にあります。いくつかの国では政治的な混乱が発生し国内経済が停滞していましたが、ここ数年の鉱物資源の価格高騰等の影響で貿易収支が大幅に改善し、経済も着実に成長しています。

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 西アフリカ8ヶ国において、交通・物流に関する以下の調査を行いました。

1.現地の調査会社を活用した国境等での交通量の実測調査やOD調査
2.交通・物流を中心に各種の統計データ、現状や計画、問題点などに関する各国の道路管理者や税関などの関係機関からの資料収集・ヒヤリング
3.収集資料やデータを分析することによって現在の交通や物流の状況把握、将来の予測など

※OD調査:Oは起点(origin)、Dは終点(destination)を表わし、移動の目的、交通手段などを把握するために実施する調査

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 内陸国では食料・日用品のほとんどを海外から輸入しており、それらの物資は沿岸国の港から限られた幹線道路を利用して大型トラックやトレーラーで運ばれています。

その距離は約1,000kmで、概ね東京から山口までの距離に相当します。高速道路や物流機能が発展した日本では、出発地から港で物資を受け取って出発地まで持ち帰るのに2~3日もあれば十分でしょう。しかし、西アフリカ内陸国から沿岸国への幹線道路は舗装の傷んだ箇所が数多いために高速走行ができず、港でも荷物の引き取りや通関手続きに長時間待たされるため、出発して帰ってくるまでに2週間かかることが当たり前です。

道路舗装が傷む原因は、重量制限を大幅に超過した大型貨物車両の通行です。重量超過に対する罰則が非常にゆるいため、輸送業者は運賃を効率的に稼ぐことを目的として、荷台に積めるだけ積み込んだ状態で輸送するのです。

使用する車両も老朽車(いわゆるポンコツ)が多く、道路に停車した故障車両も数多く見かけます。

郊外では山賊が出没して、運転手が金品を取られたり、荷台の商品を取られたりするので夜間は走行できません。幹線道路上には関所(料金所)がいくつもあり、各種の正規料金の他に賄賂も要求されます。

現状は以上のとおりですが、各国の政治と経済の安定が続けば、内陸国と沿岸国間の交通量は、今後10年間で約2倍に増加することが見込まれ、これらをつなぐ道路の重要性はさらに高まると考えられます。これに応じて適切な道路維持管理の実施、部分的な改良整備、港湾や税関をはじめとした各種手続きの合理化が課題との結論となりました。

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海から輸入物資を積めるだけ積んで
未舗装路を走行する大型トレーラー
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舗装道路のあちこちに大きな穴が開いており、
走行車両は減速が必要となる
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整備不良の古い車両が満載の荷物を積んで
通関手続きを待っている(ニジェール国)
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通関手続きを待つ車両の
荷崩れしそうな積荷(ブルキナファソ国)

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これらの国の現状は決して恵まれた状況にあるとは言えません。しかし、将来大きな発展の可能性を持っており、この調査結果を基に多方面にわたる課題解決を進めていけば、産業の発展や生活水準の向上が期待できます。日本から遠く離れてはいますが、今回の調査に参加し、縁を持ったこれらの国が発展していくことを願っています。

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