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八千代エンジニヤリングが毎月お届けするちょっとイイ話

外来種対策 マングース最新情報

  • 環境

2010年10月にこのコーナーでも取り上げた沖縄のマングース問題。yecでは、マングースの新たな捕獲手法として、マングース探索犬による捕獲の取り組みを始めました。

マングースVS犬!?

face_f107-kawauchi.jpg沖縄本島北部に広がる亜熱帯の森「やんばる」。夜のやんばるには、宝石をちりばめたような様々な模様のカエルや愛らしいケナガネズミ、早朝には飛べない鳥のヤンバルクイナやノグチゲラ、アカヒゲなどの姿が見られます。こういった希少な動物を見に訪れる観光客も少なくありません。

このやんばるでしか見られない希少な生態系を守るために、yecが取り組んでいるマングース対策の最新情報について、今月はご紹介します。 

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森の中からけたたましく吠える犬の鳴き声が聞こえてきます。探索犬がマングース(写真-1)を追跡してどこかに追い込んだようです。同行していたyec社員のハンドラーが急いで現場に向かいます。

1910年、ネズミやハブ対策のために沖縄本島南部に放された17頭のマングースは数を増やし、1990年代初め頃、沖縄島北部のやんばるに侵入しました。ヤンバルクイナやカエル、トカゲの仲間などの希少な生き物が捕食されたため生態系への大きな影響が懸念され、2000年からマングース対策事業が始まりました。

現在ではやんばるの森林内に2万個以上の罠(写真-2)を置き、これまでに5,000頭以上のマングースを捕獲しました。ピーク時には年間約600頭の捕獲がありましたが、最近では200頭以下まで減少しています(図-1)。マングースの生息密度が低下したことで、ヤンバルクイナやハナサキガエルなど、減少していた希少種の生息域が回復してきています。

やんばる地域での根絶を目標にしていますが、課題はたくさんあります。罠で捕獲できないマングースがたくさんいることがわかってきたのです。特に成獣メスの捕獲が難しく、現在、このような個体をどのようにして捕獲するかが課題となっています。そこで、yecでは新しい罠の開発や罠以外での捕獲手法の開発を進め、その一つとして探索犬による捕獲の取り組みが始まりました。

※ハンドラー:探索犬のパートナーとして日常をともにし、訓練はもちろん健康管理なども行います。ハンドラーは、犬の能力を最大限引き出して探索できるよう訓練を行い、探索の指示はすべてハンドラーが行います。 

 

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写真-1:マングース(在来のリュウキュウアオヘビを捕食)
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写真-2:マングース捕獲罠(筒罠とカゴ罠)

 

 



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図-1:マングース捕獲数の推移

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探索犬による捕獲とは、探索犬がマングース生体の臭いを探知して穴や樹洞などに追い込み、探索犬のハンドラーが捕獲するという手法です。イギリスやニュージーランドなどでは、探索犬を用いた野生動物の管理を行っており、希少種調査や外来種対策で大活躍しています。

yecでは、2011年にニュージーランドから外来種探索犬用に繁殖させているテリア(フォックステリア×ボーダーテリア)2頭を導入しました(写真-3)。そして、服従訓練、マングースの追跡と追い込みの訓練を重ねた後、2013年度から本格的な捕獲を開始しました(写真-4)。 

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写真-3:マングース探索犬(左:ベッキー、右:オスカー) 
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写真-4:探索犬によるマングース捕獲
(樹洞に追い込みハンドラーが捕獲する様子)

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 2013年度、yecが担当している捕獲エリアでは合計172頭のマングースが捕獲されました。そのうち探索犬による捕獲は27頭で、全体の約16%を占めました。また、罠による捕獲では成獣メスの割合が3%と非常に低いのに対し、探索犬による捕獲では37%と大幅に高くなりました(表1)。

罠での捕獲が難しい成獣メスに対し、探索犬による捕獲が非常に効果的であることがわかり、今後のさらなる活躍が期待されます。
 

表-1:2013年度のマングース捕獲数の割合
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 2013年、「奄美・琉球」は世界自然遺産登録候補地として選定されました。沖縄県と環境省は、2022年度までにやんばる地域のマングース根絶を目指し、捕獲作業や希少種の回復状況調査などを行っています。マングースの根絶は、個体数が減少したこれからが正念場です。たった17頭のマングースが沖縄本島全域に広がったことを考えると、ここで捕獲の手を緩めればこれまでの努力が無駄になってしまうでしょう。

 森の中では日々、マングースバスターズと呼ばれる作業員が雨にも猛暑にも負けず罠の点検を続け、探索犬とハンドラーが藪をかき分けながらマングースを追いかけています。根絶にはまだまだ長い道のりが続きますが、yecでは今後も新しい捕獲手法を積極的に導入しながら、やんばるの生態系保全に取り組んでいきたいと思います。

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今年、新たにニュージーランドから3頭yecに入社しました(写真-5)。
立派なマングース探索犬になれるよう、毎日訓練を頑張っています!

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写真-5:左からマータイ、コーファイ、ネオ

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