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八千代エンジニヤリングが毎月お届けするちょっとイイ話

失われるウミガメの産卵地2 砂浜の再生に向けて

  • 河川・水工

皆さん、日本の海岸の風景として、白砂青松とよく言われていますが、その白砂が消えつつあることをご存知でしょうか。ここでは、失われゆく日本の白砂の現状と砂浜の再生に向けた取り組みをご紹介します。

砂浜はどこに消えた?

Written by takagi toshimitsu 高木利光

周囲を海で囲まれている島国の日本には、かつて各地に多くの白砂青松がありました。しかし、現在では様々な要因から白砂が姿を消してしまっています。
白砂はどこに行ってしまったのか、私たちは何をすればよいのか、日本の砂浜の現状をご報告します。

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写真-1 山元海岸の復興した海岸堤防と
侵食対策のヘッドランド

3年前の津波が仙台空港に押し寄せた映像は記憶に新しいかと思います。その仙台空港の目の前の海岸から南側に緩く湾曲した海岸が侵食の危機にさらされています。侵食が激しく、その対策が困難なことから、2000年から国が直接、その対策に取り組んでいます。
対策としては、ヘッドランド(※)工法と言って、T型の構造物をある間隔に設置して、砂の流れを弱める工法を採用しています(写真-1)。またその構造物の建設とともに、砂を直接海岸に投入する養浜を実施しています。
津波により海岸堤防が破壊されましたが、幸いにもヘッドランドの構造物は大きな被害は受けませんでした。しかし、陸地に遡上した津波が海に戻るときに、その流れで浅いところの海底砂が沖に流されたこと、また地震による地盤沈下もあり、砂浜を回復するためにはさらなる努力が必要な状況となっています。

※ヘッドランド:海岸の砂流出を防ぐために建設される人工岬

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写真-2 北九十九里海岸の消えた砂浜と
対策工のヘッドランド

日本を代表する砂浜に千葉県房総半島の九十九里浜があります。九十九里浜は太平洋に面した弓状の砂浜で、その長さは約66kmにもなります。その海岸の北側で最近、海岸の侵食が激しくなり、波が直接、護岸に当たっている状況です(写真-2)。同様のことが、九十九里浜の南側でも起こっています。
千葉県は対策としてT型の構造物をある間隔で設置するヘッドランド工法で砂の流れを弱めるとともに、砂を直接海岸に投入する養浜を実施し砂浜の回復を図っています。

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写真-3 波消しブロックでなんとか維持
されている狭くなった礫浜(れきはま)

三重県の熊野川の河口から北側に連なる七里御浜という風光明媚な海岸があります。
この海岸は砂浜ではなく、砂よりも粒の大きな礫(れき)の浜で、世界文化遺産である熊野古道の中の浜街道の一部でもあります。また、ウミガメが産卵する海岸としても有名です。
三重県は対策として、景観に配慮して水面下に隠れる幅の広い人工構造物(人工リーフ)を大きな石とブロックで作り、来襲する波の力を弱めて侵食を防ごうとしています。

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写真-4 砂浜に設置された交通標識

石川県の能登半島の付け根付近にある千里浜は、車で砂浜を走れる海岸として有名な海岸です(千里浜なぎさドライブウェイ)。
通常の砂浜は四輪駆動車でないと走れないですが、この千里浜は良く締まった砂浜であるため、普通の車でも走れます。砂浜に車の標識が立っていたりして、波打ち際を車で走ると爽快です(写真-5)。
しかし、この砂浜も最近、年間約1m後退し続けており、車が走れる余裕が確保できなくなる危険性が出てきています。
現在は、千里浜再生プロジェクトのもと、沖合に砂を投入し、その砂が自然の波の作用により砂浜にたどり着くことを期待する対策と、砂浜の侵食を防ぐために人工構造物(人工リーフ)を作る対策も実施しています。 
詳しくは羽咋市のHPをご覧ください。

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ご紹介した海岸は、侵食が激しい海岸のほんの一部で、現在日本のあらゆる砂浜で起こっています。
その原因は様々ですが、yecはその原因を様々な調査から解明するとともに、対策を検討し、さらに対策実施後の効果を追跡調査するなど、より良い海岸の創出、砂浜の回復に努力しています。
皆さんも、海岸に行って砂浜を見たら、その砂浜を構成している砂粒は常に波で動いていること、その動きが微妙なバランスで釣り合っているからこそ、砂浜という形が維持されていること、また何らかの理由でそのバランスが崩れると砂浜はあっけなく消えてしまう非常に脆弱なものであることを覚えておいてください。

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