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八千代エンジニヤリングが毎月お届けするちょっとイイ話

安定的な電力供給を目指して 未電化村落に灯りを

  • 海外事業

電気がない地域では、人々はどのような生活を送っているのでしょうか?一方、電気がある地域でも人々が抱えている問題があります。

電気のハナシ

Written by yamakawa masao 山川正雄

どのように電気をつくり、どのように電気を使うかが話題に上ることが多い今日この頃。 発展途上国にまだまだ多い未電化地域を電化するプロジェクトと、島嶼国(※)に再生可能エネルギーを安定的に取り入れるプロジェクトを取り上げ、我々の生活に欠かすことのできない電気について考えたいと思います。

※島嶼国
:島々から構成され大陸から離れているため、開発上困難を有する発展途上国。

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最近の研究で、未電化地域でも睡眠時間は8時間に満たないということがわかってきました。これは、一日の日が出ていない時間よりも短く、人々が日の入り後も活動を続けていることを示します。

それではいったい、どのようにして活動を行っているのでしょうか。 未電化地域では夜の明かりは灯油ランプやろうそくに頼り、薄明りのなかで団欒をしたり、読書をしたりしています。ところが、この灯油ランプやろうそくは明かりが十分でない上、火事の危険があります。話はそれますが、日本でも江戸時代は火事が非常に多かったため、宵越しの金は持たない(夜になると火事で燃えてしまうから)という話がありますね。また、灯油ランプからでるススは人体に有害です。さらに、明かりが少ない地域では夜間には蛇やサソリといった小動物の危険も高くなります。

夜だけでなく昼間も電気がないために困ることがあります。電気がない地域では病院に冷蔵庫がないため、限られた薬品しか保管することができません。狂犬病等、手当に急を要する病気も、薬が保管できないことから近くの電化された病院まで行って処置を受けなければなりません。

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机の上で保管される薬

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現在、様々な方法による電化が試みられています。

一つは既存の電線を延伸し、各家庭を電線でつなごうというものです。安定した電力供給のためにも最終的にはこのかたちが望ましいと考えられますが、電線の延伸には困難も伴います。山奥の地域では、鉄塔や電柱、電線、および変圧器などの輸送に使う道路がないことが多く、整備には時間とお金がかかります。また、国の半分以上が未電化という場合も多く、既存の電線を国中に張り巡らせることは一朝一夕ではできません。

未電化地域が既存の配電網から遠い場合はディーゼル発電や小水力発電、太陽光発電等によって電化するというのも一つの方法です。これらの方法は電線の延伸に比べて各家庭の経済的な負担は大きくなります。例えば、太陽光発電は一度据え付ければそれ以降は費用がかからないと考えられがちですが、毎日充電と放電を繰り返すため、バッテリーの負担が大きく、2年程度で交換する必要があります。それでも太陽光システムを自費で購入する人々は増えています。

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村人の手で取りつけられた太陽光パネル

現在、yecではミャンマーにおいて、オングリッド(既存の電線の延伸)及びオフグリッド(小水力発電や太陽光発電)の両方の側面から、電化率の向上を目指した調査を行っています。現地調査の際、電化初日という家族と出会いました。お願いすると、慣れた手つきでろうそくに火をつけ、「これが昨日までの明かり」と教えてくれました。その後、取り付けたばかりのLED電球に明かりをつけると、部屋中がぱっと明るくなり、家族全員の顔が照らされました。

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  昨日までの(電気がない)生活
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  今日からの(電気がある)生活

 

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ところ変わって島嶼国では、ディーゼルエンジンで発電を行っている国が多くあります。燃料を輸入するディーゼル発電は他の発電方法に比べて燃料費が高く、燃やした燃料からは温室効果ガスの一つである二酸化炭素が発生します。

この解決策として、再生可能エネルギーの導入が考えられますが、太陽光発電設備は日がかげるととたんに発電できなくなり、風力発電設備は風がやむととたんに発電できなくなります。このような問題を解決するために、マイクログリッドシステム(※)の導入が試みられています。

太平洋の島国であるトンガ国は日本の無償資金協力によって1MWpの太陽光発電の導入を希望しました。ところが1MWpという電力は、時には島全体の消費電力の4分の1にも及びます。多くの機器が依存している電力が急に低下したら大変です。そこで、現地調査と先方政府との協議を踏まえ、太陽光発電が急に低下してもしばらくの間は蓄電設備で電力供給を行い、その間に十分な電力を送れるだけのディーゼルエンジンを動かすシステムを構築し、マイクログリッドシステムとして太陽光発電を導入することとしました。

このシステムを導入することで、電圧・周波数の急激な変化を押さえつつ太陽光発電を利用することができ、ディーゼル発電の使用を減らすことで、燃料費の削減、及び発生する二酸化炭素の削減に貢献しています。

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  マイクログリッドシステムのイメージ図
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完成写真(現地の職人さんと一緒に)

※マイクログリッドシステム
:小規模な地域内で太陽光発電や蓄電池などを組み合わせて、電力を安定的に供給する地域インフラ。

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ここまでお伝えしたように、各地域にはそれぞれの現状に応じた悩みがあり、今の段階で考えられる解決策がありました。それでもまだ、その解決策には改善の余地があります。今後の益々の技術の開発に期待すると共に、その技術をよりよい方法で活かすことができればと思います。

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