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八千代エンジニヤリングが毎月お届けするちょっとイイ話

新幹線プロジェクト 祝!北海道新幹線開業

  • 道路・鉄道

平成28年3月26日、本州・九州に続いて北海道にも待望の新幹線が開業しました。
今月は、世界中から注目を浴びる日本の新幹線プロジェクトの現場をご紹介します。

北海道新幹線のお話

田中直樹,Tanaka naoki

北海道新幹線(新青森-函館北斗間)の計画・設計を行い、関係者試乗会にも参加しました。
yecは在来線との共同区間を除く新規整備区間の約60%の調査設計の他、比較設計や詳細設計を実施しています。

北海道新幹線は誰が作っているの?

北海道新幹線は、国(独立行政法人)の指揮のもと、橋やトンネル等の土木構造物を作るゼネコンや電気・信号通信・軌道・設備等の専門業者が力を合わせて行いました。
我々建設コンサルタントも、土木構造物の計画や設計という重要な役割を担っています。

日本が世界に誇る元祖高速鉄道「新幹線」の仕事に携われたことは、技術者として大きな誇りです。

出発を待つH5系
出発を待つH5系

 

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北海道新幹線の調査設計に着手したのは約10年前のこと。初めての打合せで、私たち設計チームに渡された大きな地図には、当時まだ建設中の東北新幹線「新青森駅」から北に向かって真っ直ぐ、そして緩やかな弧を描く1本の線が記されていました。
時速260kmの高速走行を実現するために緻密に計算されたその線の上に、高架橋やトンネル等の構造物を最適配置することが私たちの最初の仕事です。もちろん、新幹線の計画ルート上には、山あり谷あり市街地あり。そこに住む人々の生活や自然環境を把握するため、何度も現地に足を運び地図とにらめっこしました。

「地図に残る仕事」をするには、地図に載っていない情報までしっかり理解しておかねばならないのです。

全ての経験と創造力を振り絞れ~鉄道構造計画の世界~

鉄道構造物計画というと、どのようなイメージをお持ちでしょうか?
100年以上の使用を前提とした土木構造物の形や配置には全て意味があります。地震などの災害に対して安全かつ安価なものであることは勿論、列車の走行安定性や将来のスピードアップの可能性、周辺環境への影響を抑える構造物を計画するには、設計や施工の豊富な知識が求められます。
判断一つでコストが何億も変わってしまう場合があるため、手元の条件だけでなく過去の経験や創造力を振り絞り、時間の許す限り検討を重ねます。
こうして練り上げた構造物計画が、その後の詳細設計や施工を経ても大きな変更なく無事に完成した姿を見ると、技術者としての達成感に包まれます。

完成した木古内駅
完成した木古内駅

北海道新幹線の新技術

北海道は高速鉄道にとって正に未踏の地です。歩くだけでも苦労する雪と氷の大地を、時速260kmで安全に走らせるなんてクルマの世界では考えられません。それでも新幹線ブランドに求められる絶対の安全性能と安定運行を実現するため、各分野で様々な工夫が行われました。
土木分野では、寒冷地仕様のコンクリートを用いることはもちろん、雪で線路が埋まらないように線路脇から高架橋の下に雪を落とす開床式高架橋の採用や、悪天候に強いトンネルを効率よく掘削するSENS工法の採用など、最新の技術が導入されました。
四季の変化が大きい日本列島において、東西南北に新幹線ネットワークを延ばすことで、あらゆる環境条件に対応可能な高速鉄道技術が鍛えられるのです。

新幹線を走らせる熱いエネルギー

開業1ヶ月前の2月10日。関係者試乗会に招待された私たちは、出来上がったばかりのホームで出発を待つピカピカのH5系新型車両と対面しました。
設計が終わると現場に入る機会が少ないコンサルタントにとって、試乗会に呼んでいただくことは単なる現場見学以上に得られることも多く、全ての苦労が報われる瞬間でもあります。
土木設計を担当した私たち同様に、事業に深く関わったあらゆる分野の技術者も招待されており、皆、子供のように目をキラキラさせて先頭車両の前で記念撮影をしていました。そして、定刻通りスムーズに発車した車内で皆が景色や乗り心地を楽しんでいるとき、ふと、新幹線は人を乗せて電気で動く乗り物という枠を超え、夢や誇りを乗せて多くの技術者の熱意と努力で走る特別な乗り物なのだと実感したのです。
新幹線を利用する際は、是非、その熱いエネルギーを感じてください。
 

そして世界へ

東京駅の新幹線ホームにある記念碑にはこう記されています。

「東海道新幹線、この鉄道は日本国民の叡智と努力によって完成された」(NEW TOKAIDO LINE Product of the wisdom and effort of the Japanese people)

今、高速鉄道のニーズは世界中で急速に高まっています。
日本人の叡智と努力の結晶である新幹線を世界に広めることは、日本人が大切にしてきたココロを伝えることです。
いつの日かその一助となるべく、yecはこれからも技術を磨き続けます。

車窓からの眺め
車窓からの眺め

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