1. TOP
  2. ちょっとイイ話
  3. 2018年
  4. 九州北部豪雨災害対応

八千代エンジニヤリングが毎月お届けするちょっとイイ話

九州北部豪雨災害対応 九州北部豪雨災害対応

  • 河川・水工

九州北部豪雨災害対応

藤井純一郎,fujii jyunichirou



近年頻発する水害に対して、皆さんはどのように受け止めていますか?
災害復旧への対応を通じ考えられることについてご紹介します。

h4_f122-01.jpg

次の写真1は、九州北部豪雨で甚大な被害が生じた筑後川水系赤谷川の被災前の様子です。

img_f122-04.jpg
写真1:筑後川水系赤谷川の被災前の様子(平成27年4月撮影)

 

平成29年7月5日の九州北部豪雨災害では、福岡県、大分県の両県では、死者37名、行方不明者4名を含む甚大な被害が発生しました。そして、1年後となる平成30年7月7日の西日本豪雨災害では、九州から近畿地方に亘る広い範囲で死者200名を超す被害が生じ、昭和に遡り、300人近い死者・行方不明者を出した長崎大水害以降の甚大な被害となっています。

h4_f122-02.jpg

発災1週間後の被災地の様子です。何を撮影したものか判りますか?  

img_f122-04.jpg
写真2:九州北部豪雨災害で甚大な被害が生じた赤谷川(平成29年7月撮影)

 

img_f122-04.jpg
写真3:九州北部豪雨災害で甚大な被害が生じた赤谷川(平成29年7月撮影)

 

写真2は、福岡県警の方たちが川を横断するように横一列に並んで、棒のようなものを地中に差し込みながら下流に向けて行方不明者の捜索をしている様子です。
写真3は、砂浜のように見えますが、実は被災前は、写真中央に川が流れ、沿川には民家が立ち並び、背後地には田畑が見られました。山腹崩壊等で多量の土砂が流れ出し、尊い命を含め、全てを奪ってしまった様子です。
答えを知って、再度、写真を見つめなおしてみてください。

h4_f122-04.jpg

皆さんの生活の中に何気なく存在する川ですが、大小にかかわらず、これくらいの水量を流せるよう整備しようという目標を立て、日々改修が進められています。しかし、次の制約から多くの川で目標に到達しておらず、まだまだ時間がかかるのが実情です。
・コスト(改修費用)
・安全性に対する地域間のバランス
改修工事には、多額の費用がかかりますが、皆さんの税金でまかなわれますので使えるお金には限度があります。また、川の周りには家屋等が建ち並んでいることが多く、これも、改修が早期には進まない要因の一つとなっています。
更には、安全度が地域間で大きく異ならないようバランスを取りながら毎年複数の川で少しずつ工事が進められます。公共事業ですので地域間の公平性が求められるのです。

■川の計画に関するサービスについてはコチラから↓
(http://www.yachiyo-eng.co.jp/service/rivereng/rfd_04.html)  

h4_f122-05.jpg

『観測史上1位を記録!』近年、ニュース等で耳にするこのフレーズ、特に珍しいものでは無くなっていますが、気候変動の影響による降雨の激甚化、高頻度化並びに局地化は、全国各地で顕著に現れています。実際、平成29年7月の九州北部豪雨でも、赤谷川流域では、24時間降水量の値が610mm、近傍の北小路公民館では総雨量829mmという驚異的な降雨を記録しました。
国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は、平成30年10月8日、地球温暖化が現状のまま進めば、早ければ2030年にも世界の平均気温が産業革命前より1.5度上昇し、自然災害などのリスクも高まるなどと予測した特別報告書を公表しています。 気候変動に伴う洪水リスクに対して国土交通省では下記のような影響分析を行い、今後の対策についても取り組みが進められています。  

img_f122-04.jpg
表1:気候変動による将来の降雨量、流量、洪水発生確率の変化倍率

 

img_f122-04.jpg
図1:川の目標安全度に対する気候変動の影響
出典:http://www.mlit.go.jp/river/shinngikai_blog/chisui_kentoukai/index.html

 



これは、気候変動に伴い気温が2℃上昇したとすると、現在の川が完成したとしても、20年後の気候では、降雨が激甚化し、流量が1.2倍に増え、半分の流量までしか流せない状況になることを例示しています。
現在、川の改修目標は『過去に生じた雨』に基づいて立てられています。しかし、目標を上回る雨が降ることも珍しくなくなってきていること、つまり、水害リスクが今後高まる可能性があることを理解する必要があります。

■気候変動に関するサービスについてはコチラから↓
(http://www.yachiyo-eng.co.jp/service/rivereng/rfd_09.html)  

h4_f122-01.jpg

通常、川の改修計画は、「水のみ」を対象として目標とする洪水を安全に流せる"川のかたち"を検討します。しかし、今回の九州北部豪雨災害では、「洪水・流木・土砂」の三重苦ともいえる災害で、災害の様相が急激に変化していることをまざまざと我々に見せつけることになりました。これまで経験してきた水害とは全く異なる『複合災害』であり、技術者として、地域の安全を確保していくために今後なすべきことに対して、深く考えさせられることとなりました。

img_f122-04.jpg
写真4:流木と土砂で閉塞した赤谷川(平成29年7月撮影)

 

h4_f122-01.jpg

私たちは、九州北部豪雨災害で、筑後川水系赤谷川流域の河川災害に係る改良復旧計画の立案に携わりました。災害復旧は、早期に災害査定と事業認可を受け、当該年度からの事業着手が求められます。
技術者全員が現場を歩き、冒頭の写真のような状況を、自分の目で見て肌で感じ取り、復興への想いを熱意に変え、計画立案まで僅か数ヶ月の猶予といった厳しい局面を乗り切りました。八千代エンジニヤリング職員の使命感と責任感、そして誇りを改めて感じ取ることができたシーンでした。
今後も、災害の防止、早期復旧・民生安定に向け、引き続き皆で団結し叡智を結集して取り組んでいきたいと考えています。

■関連計画:平成29年7月九州北部豪雨を踏まえた対策についてはコチラから↓
(http://www.qsr.mlit.go.jp/bousai_joho/H29hokubugouu/taisaku.html)

img_f122-04.jpg
写真5:出水に備え応急復旧が急ピッチで進む現地(平成30年7月撮影)

 

h4_f122-04.jpg

災害は、忘れた頃にやってくると言います。TVでは、地元の年長者のインタビューで「生まれてこの方、ここに住んでいるが、こんな災害は初めてじゃ」とよく耳にします。自分の身に降りかかるとは考えてもいなかったと・・・。
とは言え、河川の技術者として、私自身も次の写真に示すような、ここまで壊滅的な状況が生じ得るのだということを初めて体感し、自然の猛威、恐ろしさを痛感しています。  

img_f122-04.jpg
写真6:全て消失した赤谷川を登る重機と八千代エンジニヤリング職員(平成29年7月撮影)

 

 

 

八千代エンジニヤリングはホームページの改善のために、
ご覧いただいたみなさんに以下のアンケートのご協力をお願いしております。

「九州北部豪雨災害対応(2018年10月)」についてのアンケート
1.テーマと内容はいかがでしたか?必須

2.このページをどこで見つけられましたか?必須

3.八千代エンジニヤリングの社名を知っていましたか?必須

4.建設コンサルタントという業種をご存知でしたか?必須

※弊社への質問は「お問い合わせ窓口」からご連絡願います。

6.あなたのご職業は?必須

7.あなたのご年齢の年代は?

8.あなたの性別は?

ご回答ありがとうございました。

ページトップ