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お知らせ

2005年01月10日
モルディブ共和国マレ島南岸防波堤建設事業

スマトラ沖地震津波から人命を守った護岸施設

モルディブ共和国マレ島南岸防波堤建設事業


「無償資金協力(ODA)で建設されたモルディブ・マレ島の護岸施設が、スマトラ沖大地震で押し寄せた津波の被害を軽減した」というニュースが新聞や雑誌、ラジオなどで取り上げられています。マレ島では、この津波で約70%が海水に浸かったものの、死者はゼロでした。日本のODAで作られた施設が多くの人々の命を守り、被害を最小限にとどめたことに対する、現地の人々の感謝の言葉が伝えられています。


当社は護岸施設のうち1987年から1990年にかけて実施された、マレ島南部の離岸堤建設事業について基本設計、実施設計、施工管理に従事しましたので、プロジェクトの概要についてご紹介します。


今回の津波の被害に遭われた大勢の方々対し、心からお見舞い申し上げます。被災地の一日も早い復興をお祈りしています。


護岸整備事業概要

マレ島は、広さ約180ヘクタール(幅約1.1km、長さ約1.6km)の島であり、そこに約7万人が居住する世界有数の過密都市です。海抜が1~2メートルと低く、高潮や異常気象等に伴う海面上昇が脅威となっていました。同島は、1987年のサイクロンにより3分の1が冠水し、首都機能が麻痺したのに加え伝染病が発生、過去最大の被害に見舞われました。


日本政府はモルディブ共和国政府の要請を受け、無償資金協力により1987年から同島の護岸整備事業に着手。南岸離岸堤の建設工事を1990年に完了させたのに引き続き、西岸(1995年)と東岸(1997年)の護岸堤も整備しました。さらに、2000年から工事を進めていた北岸の護岸堤も完成。これにより、同島の護岸整備事業はすべて完了し、高潮被害の減少と同時に、島の水没の問題も解消されました。


当社は護岸施設のうち最初に実施された、緊急性の高かったマレ島南部の離岸堤建設事業について基本設計、実施設計、施工管理に従事しました。


事業概要
事業区域
マレ島南岸約1.5km
構造
透過式不連続群堤方式の離岸堤
延長 100~120m×10基
工期
1988年3月~1990年7月
事業費
約20.5億円
設計・施工管理
八千代エンジニヤリング(株)
施工
大成建設(株)
発注者
  • 基本設計調査:JICA
  • 実施設計監理:
    モルディブ公共事業省

事業の経緯

1979年
この頃から住宅、学校、発電、港湾などの用地として、マレ島南岸のリーフ内の埋め立てが始まる。
1987年
4月
  • モルディブ全土を高潮が襲い、マレ島南岸の埋立地が侵食される。
  • 日本、オランダの緊急援助隊が、護岸施設建設を勧告。
6月
無償資金協力による「マレ島南岸護岸建設計画基本設計調査」契約(八千代エンジニヤリング(株)受注)。
7月
土木研究所宇多海岸研究室長を団長とする基本設計調査団に八千代エンジニヤリング(株)から技術者5名を派遣。
11月
上記基本設計調査完了。
1988年
2月
マレ島南岸防波堤建設事業設計施工管理業務契約(八千代エンジニヤリング(株)受注)。
3月
マレ島南岸防波堤建設工事契約(大成建設(株)受注)。
1990年
7月
マレ島南岸防波堤建設工事竣工。

現地には、工事用水、砂、砂利といった建設資材および建設機械がありませんでした。そのような状況の中で、大量のコンクリートをつくらなければならなかったことから、工事用水については海水を淡水化するプラントを設置して供給し、その他の建設資材や建設機械についてはスリランカ、マレーシア、シンガポールから船でインド洋を経由して運び込みました。雨季のインド洋は荒れるため、それらが無事到着するのか不安がつきまといました。また、同国は珊瑚礁でも知られることから、環境に配慮しながら工事が行われました。

当社は、日本の無償資金協力による「モルディブ地方環礁島電化計画」にも従事しました。このプロジェクトは1993年に始まり、第1次から3次にわたり実施されました。当初同国ではわずかに10島のみが電化された状態でしたが、第1次および第2次協力を経て、1998年には21島で電化が完了し、電化率は62%に達しました。更に第3次協力では新たな5島の電化が実施され、安定した電力供給により約2万人あまりの地域住民の生活環境が改善されました。さらに、この地方環礁島電化の促進による、生活の地域格差の是正も期待されています。


当社は現在、被害状況を確認中であり、その結果を復興支援に役立てたいと思っています。

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