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yecが誇る名人たち

私は、yecに入社以来40年近く鉄道・道路構造物の計画・設計・解析等に従事してきました。
特に鉄道分野の高架橋・基礎工との関わりは深く、昭和54年荒川橋梁の鋼管矢板基礎にひずみゲージを設置することから始まり、その後、各整備新幹線、リニア中央新幹線、常磐新線(つくばエクスプレス)、JR各社等の設計業務を担当しました。

我が国の鉄道構造物は、現在でもその機能を果たしている明治時代のレンガ・石積橋脚、松丸太を使用した杭基礎やレンガ積連続アーチ高架橋から始まり、新材料・新工法の技術開発により、場所打ち杭等の杭基礎、ケーソン基礎・鋼管矢板基礎・連壁基礎等の大規模基礎、更には、回転杭基礎、シートパイル基礎等の工法が導入されました。また、土圧に抵抗する構造物では、石積擁壁からコンクリート擁壁、盛土・切土補強土擁壁、補強土橋台、GRS一体橋梁等が開発されています。
yecの設計実績においても、各時代の技術の動向を素早くキャッチし、基準改訂時の試設計や最新技術を積極的に取り入れた構造物設計を行ってきました。
また、先の東日本大震災の津波により甚大な被害を受けた三陸鉄道北リアス線やJR東日本仙石線の復旧設計業務では、早期の運転再開を目指す厳しい工程のなか、関係機関の指導のもと高い耐震性や津波抵抗性に優れている構造物の設計を担当者が一丸となり行いました。

 

表-1 主な鉄道高架橋・基礎工の設計実績
路線名 橋梁名 橋梁形式 設計年 基礎形式
常磐新線 アーチスラブ式高架橋 6径間ラーメン高架橋 H8 場所打ち杭基礎
常磐新線 江戸川橋梁 4径間連続トラス橋 H10 鋼管矢板基礎
九州新幹線 川内川橋梁 4径間連続PC斜版橋 H11 ニューマチックケーソン基礎
JR東日本吾妻線 第二吾妻川橋梁 3径間連続PRC斜版橋 H16 直接基礎
北陸新幹線 飯山長峯架道橋 PPC単純T形桁橋 H16 補強土橋台
成田高速鉄道 印旛沼橋梁 6径間連続PC箱桁橋 H8 鋼管矢板基礎
北陸新幹線 ラーメン高架橋施工性改善 梁部材のプレキャスト化検討 H18 1/2縮尺モデルの載荷試験と解析
三陸鉄道北リアス線 ハイペ沢橋梁※1 SRC下路桁構造を有する 2径間GRS一体橋梁 H24 既設直接基礎を再利用
九州新幹線 第二本明川橋梁 3径間連続箱桁橋 H24 深礎杭基礎
JR東日本仙石線 東名高架橋 5径間RC背割式ラーメン高架橋 H25 パイルベント形式の場所打ち杭基礎
北陸新幹線 九頭竜川橋梁 7径間連続PC箱桁橋 H26 ニューマチックケーソン基礎※2
北陸新幹線 小松木場潟高架橋 斜杭を有するラーメン高架橋 H28 回転鋼管杭基礎

※1:H26土木学会田中賞作品部門受賞 ※2:道路橋・鉄道橋の併用基礎

 

 

鉄道構造物の設計は、設計者の技量によって合理的、かつ自由度の大きい設計を行うことができる性能照査型設計へと変遷しましたが、その反面、設計者の能力や責任が大きく問われます。また、近い将来に発生が危惧されている、東海・東南海・南海の三連動地震や首都圏直下型地震などの巨大地震に対してさまざまな対策が求められています。

このような中、技術者には、自己の専門能力を継続的に維持・向上させることが求められるようになってきました。フェロー認定を契機に私は、もう一度「伝承すべき技術とは何か」を若手技術者と一緒に考え、「鉄道設計技術」のより一層のレベルアップと底上げに取り組むとともに、土木技術者としての「心意気」や「喜び」をも伝えられたらと思います。


渡辺久幸(2016年7月フェロー認定)|鉄道設計技術の伝承

常磐新線アーチスラブ式高架橋

三陸鉄道北リアス線ハイペ沢橋梁

JR東日本仙石線東名高架橋

ラーメン高架橋プレキャスト化載荷試験

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