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河川

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はじめに

 

高潮予測の必要性

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四方を海で囲まれている我が国では、過去より台風襲来による高潮災害を幾度も経験し、三大湾(東京湾、伊勢湾、大阪湾)や瀬戸内海・有明海に代表されるゼロメートル地帯では、室戸台風(昭和9 年)、キティ台風(昭和24 年)、伊勢湾台風(昭和34 年)、第二室戸台風(昭和36 年)等の大型台風の襲来にて多くの人命を失う壊滅的な高潮災害がもたらされました。

このような災害に対し、河川・海岸における高潮対策は、これまで主として既往最大の高潮を設計外力とする施設整備が行われてきましたが、未だ堤防高や構造を満たせていない区間も多く、事業完了には多くの期間が必要となっています。

さらに、近年における気候変動を背景とした台風の強大化等への懸念に加え、地盤沈下によるゼロメートル地帯の拡大、都市圏への中枢機能集積、地下空間の高度利用、災害経験の減少等からの住民危機意識の低下など、高潮災害に対する脆弱化が懸念されています。

これらを背景に、施設能力を超える規模の高潮が発生する可能性は常にあることから、台風接近に伴う高潮の発生をあらかじめ予測することで、水門等の防潮施設の適切な操作のみならず、水防体制やタイムライン検討等、台風接近に応じた適切なタイミングで必要な対応を図り、被害最小化に努めることが必要です。

 

高潮発生のメカニズム

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高潮とは、台風や低気圧による気象変化の作用によって海岸付近で海面が異常に高くなる現象です。高潮が発生する主な気象要因には「吸い上げ作用」と「吹き寄せ作用」の2つの事象があり、接近する台風の規模や進路によって、高潮が生じる程度が異なってきます。なお、吹き寄せの作用は遠浅の海域ほど大きくなりやすいことから、湾形状となった遠浅の海域では、特に高潮が発生しやすくなります。






 

 

高潮予測システムの概要・課題・事例紹介

高潮予測解析の大まかな流れ

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高潮予測解析に関わる大まかな流れと予測する情報は右図のとおりです。
あらかじめ設定した海域の調和定数にて時系列の天文潮位を予測し、これに気象庁が発表する台風予報の情報を用いて対象海域モデルに生じる平面的な気象の変化(気圧分布・海上風分布)を時系列で予測します。この平面的な気圧と風の作用で発生する海域の平面的な高潮による潮位偏差、さらにはこの高潮が河川を遡上して作用する縦断的な潮位や海域・河川域の波高を予測します。これらの予測解析作業によって得られる時系列の海域潮位や河川水位に応じ、必要となる施設の管理操作・危機管理への対応を可能とします。





高潮予測に関する課題

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気象庁が発表する72時間先までの台風の予報進路には、最大で数百kmの直径予報円で表現されるズレ幅を有し、台風がこの予報円内を通過する確率は約70%とされています。このため、予想進路どおりに台風が接近せず、予測進路や接近時刻がずれた場合をあらかじめ考慮に入れ、危険となる高潮の発生に備えておく必要があります。











高潮予測システム構築例

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(1)九州地方(有明海沿岸)での構築事例

九州に位置する有明海は、その地理的・地形的特徴から、古くより高潮被害を受けてきた歴史を有しています。このため、沿岸の主要な河川では台風発生時における河川への高潮遡上に対する防潮堰等を有しており、これらの施設は、台風接近時に高潮被害が発生する可能性がある場合、適正なタイミングで閉操作を行う必要があります。この操作判断や危機管理の一助とすることを目的に、気象台から配信される台風予測情報を用いた自動予測演算機能を持つ高潮予測システムを弊社が構築し、施設管理や河川防災管理上のツールとして活用・運用して頂いています。

(2)予測課題への対応

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前述した台風進路に関する予測誤差の課題に対応するため、弊社が構築した予測システムでは、予報円内を通過する台風の進路を幾何学的に複数コース設定し、限られた予測時間内にこれら全ての進路を辿った場合の予測演算を実施し、予測進路どおりの結果だけでなく最も危険となる結果を導くシステムを構築しています。これにより、予報円内における予測の不確実性をカバーすることを可能としています。



















 

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