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  4. 気候変動による洪水リスク増大への適応策

河川

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はじめに
 

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平成26年11月に公表されたIPCC(気候変動に関する政府間パネル)の第5次報告では、気候システムの温暖化には疑う余地がなく、世界平均地上気温は1850~1900年と1986~2005年を比較して0.61℃上昇、世界平均海面水位は1901~2010年に0.19m上昇していることが報告されています。

これに対し、わが国における防災の考え方として、社会資本整備審議会より「水災害分野における気候変動適応策のあり方について 中間とりまとめ~災害リスク情報と危機感を共有し、減災に取り組む社会へ~」が示されており、今後高まる災害リスク(水害・土砂災害・渇水)に対しての取り組みの方向性が示されています。

このうち、河川の洪水に着目すると、全国の一級水系では、現在と比べ将来の気候において雨量が約1.1~1.3倍、河川の計画(基本高水)を超える洪水の発生頻度が約1.8~4.4倍になることが予測されており、洪水被害の頻発や激甚化が想定されています。

気候変動を考慮した河川整備の留意点について

水害(洪水、内水、高潮)に対する適応策

 

気候変動による今後の水害の頻発や激甚化に対する適応策として、施設の能力を上回る外力の発生に対しては、施設の運用・構造・整備手順等の工夫や、まちづくり・地域づくりとの連携、避難・応急滑動・事業継続等のための備え等、さまざまな取り組みが必要と考えられています。

ここでは、その一つとして、「様々な外力に対する災害リスクに基づく河川整備計画の点検・見直し」の観点から、今後生じ得る洪水リスクの増大を見据えた河川整備の留意点について紹介します。

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今後の洪水リスク増大により生じる課題

これまで、河川の整備にあたっては、対象とする洪水の規模(例:100年に1回程度発生する洪水)を設定し、想定される水害の発生を防止・軽減するための計画を定め、整備が進められてきました。

しかしながら、気候変動により降雨の激化で、整備されている河川の計画の規模を大きく上回る洪水の発生した場合には、ある程度の浸水被害が生じることは避けられません。このような場合、地域によっては、整備後の方が浸水リスクの高い状況にさらされることも、考えられなくはありません。

例えば、河川の上流側の整備を進めると、従来は上流で溢れていたものが溢れにくくなり、下流まで流れてくるため、相対的に下流側の浸水リスクは増加し、上流側の整備前と比べて被害が増大する地域が生じる可能性があります。

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計画規模を上回る洪水に対する適応策

今後は、計画規模を上回る洪水が発生することも十分に考慮し、想定最大規模までの様々な洪水に対して、上流・下流や本川・支川が決壊(破堤)した場合も含めた複数のシナリオで被害想定を行い、整備によるリスク増大の可能性を把握することが重要です。もし、上流側の整備により下流側の被害リスクの増大が懸念される場合には、下流側の整備水準を当初計画よりも引き上げ、整備を先にしておくことも方法の1つと考えられます。

今後、気候変動という避けられない問題に対し、想定される被害を軽減するとともに、災害リスクの増大を招かないようなバランスのとれた河川整備を着実に進めていくことが重要となります。これまでよりも想定しうる現象を広く考え、複雑な問題を解決に導くことが、わたしたち技術者に求められる役割です。

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