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サプライチェーンのリスク低減に
向けた、
原料調達リスク調査

気候変動により水循環が変化し、農作物の生育環境も変化しています。
農作物は生産できる期間が限られることが多く、一度生産ができないと次の収穫までに時間がかかるため、農作物を調達する企業にとっては、持続的かつ安定的に原料を確保することが課題となっています。また、農業は世界の水利用の7-8割を占めることから、地域に与える影響も大きくなり、調達する企業への責任も増してきています。
農産物調達に内在するリスクを低減させるには、地域および農産物の特性に基づいたリスクの分析が必要です。当社は、X社様の農産物の生産地や収穫時期、水消費量等の特性を考慮した水リスク調査を行い、持続的な農産物の調達に寄与する改善策を提案しました。

利用サービス
  • 概略調査
  • 詳細調査
  • 目標設定・
    ビジョン
  • 対策
  • 発信

課題

  • 自社の原料調達地域における水リスクを把握したい
  • 事業への影響が大きい原料調達地域を把握したい
  • サプライヤーや生産者とコミュニケーションを強化したい

サポート概要

  • 原料調達地域の水リスクを網羅的に評価
  • 事業特性を踏まえ、事業への影響が大きい生産地を特定
  • サプライヤーや生産者のリスク低減施策やコミュニケーション時の確認事項を整理

今後のアクションを見据えた調査

根拠のある現状分析や目標設定を定めることが、水リスクへの解決の第一歩

穀物を中心とした農作物を原料として製品製造をするX社様は、現在および将来の原料の調達リスクを分析・評価するだけでなく、今後の調達戦略検討やサプライヤーや生産者を巻き込んだリスク低減に取り組みたいと考えていました。
企業がサプライチェーンの調達リスクを改善する場合、リスクの高い生産地から、リスクの低い生産地からの調達に変更することもできます。また、サプライヤー自体の切り替えも考えられます。一方で、サプライチェーン管理においては、リスクのみならず、コストや品質、コンプライアンス、労働環境、人権問題など、様々な視点で評価をする必要があります。このため、x社様は、リスクの高い生産地を把握するだけでなく、サプライヤーや生産者と共にサプライチェーン全体で、リスクに向き合い、低減を目指しておられました。
リスク低減の取り組みを計画・実施につなげるため、まずは調達状況および社内外に存在する調達に影響する情報を整理し、データベースを構築し、関係図への整理などを行いました。
水リスクと生物多様性への影響のリスクを評価し、定性的なリスク・機会の情報を元に、リスクへの対応の優先順位が高い生産地を抽出したり、情報を補完したり、教育的な意味を持つサプライヤーへの聞き取り調査項目を提案しました。

原料調達に関する水リスク調査と対策検討

D社様が持つ各拠点の水のリスクマップ

原料の調達、つまり、原料の生産においても、水リスクは地域および原料の特性により異なります。特に、農作物は生産時期が限定されるため、自然災害の影響の受けやすさは作物種や地域により異なります。また、生物多様性を含めた地域に与える影響も異なります。
水リスクを評価するに当たっては、様々な機関や企業の先進事例を比較検討し、穀物別・地域別で栽培に使用される水の量(Water Footprintと呼ばれます。x社様との調査では、灌漑用水Blue Waterfootprintと天水Green Waterfootprintを採用しました)のデータを用いたり、調達額を用いたりして、事業への影響を評価しました。

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