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グループ全体がベクトルを合わせ、効果的な対策を進めるために

明治ホールディングス株式会社
サステナビリティ推進部 奥田様

水リスクに対する注目度が増している昨今、明治ホールディングスでは「水リスクに関する対策について優先順位をつけて対応したい」、また「グループ全体の考え方を統一し、水リスクに対する取り組みを加速化させたい」といった課題を持っていました。そういった課題を解決するために専門家集団である八千代エンジニヤリングにまずは水リスクの評価の支援を依頼しました。

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課題

  • 「Aqueduct(アキダクト)」や「ハザードマップ」の評価結果を正確に理解し、水リスク対策の優先順位の設定に活用したい
  • 当社グループ全体の意思を統一し、水リスクに対する取り組みを加速化させたい

サポート概要

  • Aqueductの活用法を中心に、各拠点のリスク評価の見直しを推進。対応についてのゴールを設定
  • 役員を含めた環境担当者に向けて水リスクに関する勉強会を実施。
  • 各種リスク対策に関するコンサルティングおよび各種情報の提供

独自に進めていた対策を、さらなる高みに押し上げるために

近年、世界的に水リスクに対する注目度が増しているということは、弊社としても認識はしていました。食と薬に関わる製品を扱う企業である以上、水との関わりは非常に重要です。また、国内外に多くの拠点を持ち、それぞれが異なった環境下で生産業務を展開しているという現状を考えると、さまざまなタイプの水リスクに対応する必要性があると考えました。
もちろん、すでに傘下の各事業会社は水リスクに対する方針を定め、対応を進めていました。事例として過去に洪水被害を受けた拠点への防水壁の設置をはじめ、より高品質な水が要求される商品のラインにRO膜設備を順次導入しています。各工場で使用する水の削減に関する取り組みを進めているのも、水リスク対応の一貫です。しかし、国内外のグループ会社を含む全拠点が足並みを揃え、より発展的なリスク対策を進めるためには、さらに一段階上の対応が必要だとも感じていました。
弊社は国内外に多くの拠点があることから、どの拠点のどんな水リスクから取り組むのかという取り組みの優先度を定めることが難しく、仮に優先順位を付けられたとしても、具体的にどのような対策を講じていくべきかという具体策に乏しかったというのが実情でした。加えて、社内的にも水リスクに対する認識をより高め、グループ全社が同じ方向を向いて取り組める土壌作りを進める必要もありました。これらの課題をトータルで捉え、解決していく手段として、水リスク対応に詳しい企業様のご助言を仰ぎたい。その思いが八千代エンジニヤリングとの出会いに繋がりました。

明確な評価を下すための土台作りが完了

水リスクに対する情報交換を行っていく中で、専門的な知見を持って弊社の取り組みを評価していただける点、また、調査から目標設計、対策・発信などすべてを一気通貫でご指導ご対応いただける点などを魅力に感じ、パートナーとして共にプロジェクトを進めていただくことになりました。
まず着手していただいたのは、水リスク評価です。渇水対策、水質管理対策などに対するリスク評価をしていただいた上で、優先順位を検討していきました。弊社が水リスク対策の優先順位を定められなかった理由としては、水リスク評価ツールである「Aqueduct(アキダクト)」結果の分析の難しさが挙げられます。八千代エンジニヤリングのアドバイスによってその問題が解消できたこと、また、Aqueduct自体への理解が一層深まったことは、ひとつのターニングポイントだったと思っています。
一方で、社内における水リスク対策の重要性の周知についても、ご協力いただきました。水リスクについての共通認識、重要性については社内的にも浸透していましたが、十分であったとは言えません。その状況を踏まえ、各事業会社の環境担当者を対象にした勉強会の開催、役員へのブリーフィングなどを八千代エンジニヤリングにお願いしました。結果として、水リスクへの全社的なより強い周知徹底、社員の意識改革につながったと思います。

「やるべきこと」の明確化が、確かな成果につながる

工場の水削減事例:工場で使用している節水ノズル付ホース

工場の水削減事例:工場で使用している節水ノズル付ホース

水リスク対応の優先順位を設定することで、取り組むべき内容が明確になり、少しずつではありますが成果と呼べるものも上がり始めました。ひとつは、進捗にばらつきのあった各事業会社の足並みが揃ってきたということが挙げられます。やはり全社的に統一された認識とビジョンを持って進めていくプロジェクトであることを考えると、この変化は歓迎するべきものだと思います。
また、八千代エンジニヤリングに支援いただいた水リスク評価結果をホームページ上で対外的に開示することができたことは大きな成果だったと思います。
評価結果の開示やリスクへの取り組みはまだまだ改善の余地はあると思っていますが、着実に歩を進めているという実感を持っています。

次なる一手は、サプライチェーンの水リスク対策

八千代エンジニヤリングのお力添えもあり、自社拠点の水リスク評価の精度向上が図れました。一方で、今後は、サプライチェーンの各プロセスでの水リスク評価を進めていく必要性を強く感じています。明治グループは国内外に工場をはじめとする各種拠点を展開しており、サプライヤーとの信頼関係の構築は重要です。したがって、サプライチェーンの水リスクをきちんと把握し、対処していきたいと考えています。
また弊社は、2021年3月1日に、2050年に向けた長期環境ビジョンである「Meiji Green Engagement for 2050」を発表しました。このビジョンは、「気候変動」「水資源」「資源循環」「汚染防止」への対応を柱にしています。水リスク対策に関連性の高い「水資源」に関する達成目標には、

  • 2050年までに、自社拠点での水使用量の売上高原単位を2017年度比で半減
  • 2050年までに、製品原料として使用する水を100%還元(ウォーターニュートラル)
  • 自社拠点が立地する地域や、原料調達地域での水リスクの解決に取り組む

の3点を挙げました。この発表によって、水リスクに対する社内的な意識づけはさらに強まったと認識しています。
今後とも、八千代エンジニヤリングとのプロジェクトを通して得られた知見を有効に活用しながら確実に水リスク対策を進め、グループ全体が成長していくことを目指します。

明治ホールディングス株式会社

食品薬品等の製造販売を行う子会社などの経営管理およびそれに付帯または関連する事業

https://www.meiji.com/