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八千代エンジニヤリングが毎月お届けするちょっとイイ話

全ての人が暮らしやすい社会を目指して みんなでつくるバリアフリー社会

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今月は、誰もが安全で快適に暮せる社会について、バリアフリーとともに、ユニバーサルデザインの考え方をあわせてご紹介いたします。

みんなでつくるバリアフリー社会

誰もが安全で快適に暮らせる社会

Written by MACHIDA Yumi 町田由美

本格的な高齢化社会に備えて、高齢者や障がい者のいっそうの自立と社会参加をうながすために、今急速にバリアフリーへの取り組みが行われてきています。これまで無かった場所にエレベーターや、スロープが設置されたり、誘導ブロックが敷設されたり…。誰もが安全で快適に暮せる社会とは?

今回はバリアフリーとともに、その先にあるべき理想の形とされるユニバーサルデザインの考え方についてとり上げてみたいと思います。

バリアフリー[Barrier Free]

障害のある人や高齢者が社会生活を送る中で障壁(バリア)となるものを除去するという意味でもちいられます。あえて説明の必要がないと思われるほど最近はあちこちでこの言葉が使われていますね。

具体的には、つぎの4つのバリアがあるとされています。

  1. 物理的バリア
  2. 制度のバリア
  3. 文化・情報のバリア
  4. 意識のバリア

段差解消のためのスロープやエレベーターの設置、誘導ブロックの敷設などは、この物理的バリアの除去となります。パソコンや、インターネット、携帯電話などの普及により、情報のバリアもかなり解消されつつある様に思えます。

蒲郡市のバリアフリーポンツーン(浮き桟橋)の写真
バリアフリーポンツーン
「マンボウ」
愛知県蒲郡市

スロープを有した日本発のバリアフリーポンツーン(浮桟橋)は、北京パラリンピックに向けた中国の障がい者セーリングチームと日本の強化チームが帆走・レースを行うなど世界レベルの国際交流を行っています。

法律によるバリアフリーの流れ

1994年制定のハートビル法(2002年改正)により、デパートやホテル、学校、共同住宅など多数の人が利用する建築物で、出入り口や階段、トイレなどのバリアフリー化が進められてきました。さらに2000年制定の交通バリアフリー法では、鉄道駅や車両、空港などを中心とした地域のバリアフリー化が推進されています。

しかし、これらの個々のバリアフリーが行われても、例えばその駅から、デパートまでの道がバリアフリー化されていないなど。それを有効に利用できる状況にはまだ至っていません。

そこで、このハートビル法と交通バリアフリー法を一本化し、官公庁、福祉施設、商業施設などの建築物から交通施設、道路、公園などに至るまでの連続的なバリアフリー化を促進することを目的とした、バリアフリー新法(正式名称:高齢者、障がい者等の移動等の円滑化の促進に関する法律)が2006年12月に、施行されました。また、障がい者の自立や社会参加をうながすために、障がい者自立支援法も2006年10月から本格施行されました。

これらの法の施行に伴い、今後は全国各地でよりいっそう、さまざまなバリアフリー化が進められていくことでしょう。

認識不足が生み出すバリア

どんなに取締りを厳しくしてもなかなか無くならない迷惑駐車(駐輪)。これは、認識不足が生み出すバリアの典型と言えます。

大多数の人が迷惑だと感じているはずです。そして、車椅子の人や、視覚に障害のある人にとっては、歩行の妨げになるだけではなく、危険な状況にもなりかねないのです。

自転車が歩道を塞いでいるために、車椅子の人は、段差を乗り越え危険な車道を迂回することになります。車道が危険なことはもちろんですが、車椅子の人にとっては少しの段差でも乗り越えるのはとても困難なことなのです。また、目の不自由な人でも同じです。せっかくバリアフリー化が進んで歩道に設置された誘導ブロックも、その上に自転車が止められていたり、時にはお店の商品がせり出して陳列されていたりしたら、誘導ブロックの意味が半減してしまいます。それどころか、安全であるべき誘導ブロックに従って歩いたあげくに、自転車や品物に衝突して怪我を負うことにもなりかねないのです。

どんなに公共施設や、制度面でのバリアフリーが進められても、それを使用し、そこで暮す人々の心がバリアフリーでなければ本当の意味でのバリアフリー社会はなりたちません。

バリアフリーの問題点

急速に進められてきたバリアフリーですが、やはり、いままで存在していた障壁を取り除くには、スペースの問題や、技術的な点において難しいことも多々あります。

例えばせっかく駅に設置されたエレベーターも、とても分かりにくい場所にあったり、遠回りをしなくてはたどりつけなかったりするケースがあります(これはベビーカーを使うお母さんにもご理解頂けると思います)。また、「障がい者用」「高齢者用」と名づけられた商品や道具などは、バリアフリーといえるかもしれませんが、入手するのが困難だったり、価格や、デザイン面から使用するのに抵抗がある人もいます。

これらの問題を少しでも解消していくことはできないのでしょうか?階段と、エレベーターと、エスカレーターがもともと同じ場所に設置され、使う人が自由に選択できるのなら・・・。スーパーなどで売られている商品がもともとバリアフリーであったなら・・・。

そんな思いを現実のものとするために、最近注目されてきたのがユニバーサルデザインの考え方なのです。


ユニバーサルデザイン[Universal Design]

ユニバーサルデザインとは、ユニバーサル(=普遍的な、全体の)という言葉が示しているように、「すべての人のためのデザイン」を意味し、年齢、性別、国籍、障害の有無などにかかわらず、最初からできるだけ多くの人が利用可能であるようにデザインすることをいいます。

この言葉や考え方は、1980年代にノースカロライナ州立大学のロナルド・メイス氏によって明確にされ、7つの原則が提唱されています。

また、博士は、この原則を、製品そのものだけでなく、生活環境や、コミュニケーションなど、さまざまな場面にはば広く取り入れるように訴えてもいます。

ユニバーサルデザインの7つの原則
  1. 誰でも使えて手にいれることができる(公平性)
  2. 柔軟に使用できる(自由度)
  3. 使い方が簡単にわかる(単純性)
  4. 使う人に必要な情報が簡単に伝わる(わかりやすさ)
  5. 間違えても重大な結果にならない(安全性)
  6. 少ない力で効率的に、楽に使える(省体力)
  7. 使うときに適当な広さがある(スペースの確保)
ユニバーサルデザインの7つの原則

よく取り上げられる身近なユニバーサルデザインの例としては、次のようなものがあります。

  • シャンプーの識別凹凸
  • テレホンカードの切れ込み
  • 外国人などのために、文字の代わりに絵文字(ピクトグラム)を使っての各種表示
  • ノンステップバス
  • 缶ビールの点字表示
  • 牛乳パック扇状切欠き
  • 選べる公衆電話
  • 多機能トイレ
  • エレベーターとエスカレーターと階段

こうしてとり上げてみると、意外とユニバーサルデザインのものが身の回りに増えてきていますね。

その他にもまだユニバーサルデザインのものはあります。炊飯器や、洗濯機などの家電製品も点字表記がされていたり、押しやすい大き目のボタンが採用されていたりします。それぞれの企業もユニバーサルデザインの考え方を取り入れた商品開発に力を注いでいるように思います。

身の回りに存在する小さなものから大きなものまで、初めからだれもが使いやすいユニバーサルデザインの考え方に基づいて作られたなら、それはすでにバリアフリーであり、快適な社会が自然と作られていくのです。

こうして本当に理想とされる誰もが暮しやすい社会につながっていくのでしょうね。でも、それはとても難しいことでもあります。

社会を作るのは全ての人が関わってきます。その人々がみんな、思いやりと想像力を持って製品開発を行ったり、生活していかなくては真のユニバーサルデザインにはならないからです。

私たち八千代エンジニヤリングも誰もが暮しやすい社会作りにこれからも携わっていきたいと思います。


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