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八千代エンジニヤリングが毎月お届けするちょっとイイ話

国際災害復興支援 ハイチの人々にきれいな水を!

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2010年に起こった大震災により衛生的な水を給水することが困難になり、さらに続いて発生したコレラの蔓延で市民の生活は脅かされていました。今月は、JICAの委託業務としてyecが行っている災害復興支援の活動をご紹介します。

ハイチ国復興支援緊急プロジェクト

2010年1月12日ハイチ大地震発生

Written by Minami 南直行

さる3月11日の東日本大震災で大きな被害を受けた日本ですが、ハイチ共和国でも昨年の1月12日に首都直下型の大地震に襲われ、23万人以上もの犠牲者を出しました。東日本大震災での死者・行方不明者の合計が、約2万4千人ですから、実にその10倍近くの人々が亡くなられたことになります。マグニチュード7.0と東日本大震災より地震規模は小さかったものの、震源が人口が密集した首都ポルトープランス(Port-au-Prince)の直下にあり地下13kmと浅かったこと、そしてハイチの建築物は、地震をまったく想定していない、非常に弱い構造であったことがこれだけ甚大な被害を出したことの大きな原因とされています。その背景にはこの100年間、地震がなかったことによる油断があったようです。

ハイチってどんな国?

ハイチ共和国はカリブ海に浮かぶイスパニョーラ島の西側3分の1を占める、面積27,750km2(四国と九州の中間程度)、人口約1,000万人の小国です。人種は90%以上が黒人系、主に使われている言葉はフランス語と地元のクレオール語(フランス語をベースとするハイチ独自の言葉)です。北緯19度、フロリダ半島の東南に位置し、日本からは航空路によってマイアミまたはニューヨークで乗り換え、合計約17時間でたどり着きます。

1804年にハイチは、フランスから独立を果たしました。南北アメリカ大陸ではアメリカ合衆国に続いて二番目、黒人国家としては世界で初めての独立国です。しかし、その後外国からの介入が続き、また独裁政権による恐怖政治が長年敷かれるなど国内では混乱が続きました。2004年には同国の治安を回復するための「ハイチ安定化ミッション(MINUSTAH)」チームが国連より派遣され、今日に至っています。そうした背景もあり、国民一人当たりのGNI(国民総所得)は未だ560ドル(2007年、世界銀行)と、南北アメリカ大陸において最も貧しい国となっています。

ハイチ国の位置 写真1:ハイチ共和国の位置 震源地 写真2:震源地

国際災害復興支援もお互い様

JICA(国際協力機構)は、世界の特に後発開発途上国で国際災害復興支援をしています。2010年8月の<今月の特集>では、バングラデシュのサイクロン災害への国際災害復興支援を紹介しましたが、このハイチ共和国でもyecはJICAの委託を受け、震災復興支援の一部ではありますが、「給水システム緊急リハビリ」を実施しています。

近年、諸外国の災害復興支援に努めてきた日本ですが、今回の東日本大震災に際しては、逆に世界の国々から支援を受けました。インドネシアのパダンでも、JICAは地震災害復興支援として学校の校舎を再建していますが、その学校の生徒からも日本へ支援の申し出がありました。

倒壊した建物とそのガレキ 写真3:倒壊した建物とそのガレキ

給水は基本的生活条件

ハイチでは、2010年10月に中央部のアルティボニート県でそれまでなかったコレラが発生し、またたく間に全国に広がりました。わずか2ヶ月間で感染者10万人、死者2千人以上となり、翌年6月までで5千人近くの人が亡くなっています。コレラは、衛生的でない水や食べ物から広がります。地震により大きなダメージを受けていたことも重なり、不衛生な状態となっていた給排水環境がコレラ拡大の大きな原因と考えられています。
  安全な水は、人間にとって健康的な生活を送るために不可欠なのです。

ハイチ国内で地震被害の大きかった地域では、地震後しばらくは、緊急手段として給水車で水を運び、住民は市街・村落に設置した大きなゴムタンクとつながった共同水栓から水を汲んでいました。しかし、衛生的な水を安定して供給するためには、給水施設の整備が必要とされていました。

ゴムタンクと公共水栓 写真4:ゴムタンクと公共水栓 公共井戸から水を入れる給水車 写真5:公共井戸から水を入れる給水車

レオガン市復興のための市街地給水緊急リハビリ事業

JICAは2010年5月から震災復興支援プロジェクトを開始し、業務を任されたyecはすぐに調査のため現地入りしました。各調査の結果、とくに緊急性が高いレオガン市中心部の給水施設を再建することとなり、このプロジェクト(「市街地給水緊急リハビリ事業」)でyecは設計と工事の監督を担当しました。

2011年5月に完成したこの工事によって、市中心部の既存の深井戸から水道管をつなぎ、市内の学校12箇所と住宅 173戸に給水が可能となりました。今後さらに水道管を延長したり各家庭への接続を増やせば、もっと多くの市民に役立つことでしょう。

特に、小学校では水道の蛇口をひねれば安全な水が得られるので、児童たちは喜んでいました。さらに、コレラなどの感染症予防のために、NPO法人JENの協力を得ながら、食事前やトイレ利用後の手洗いを指導をしています。

このように、このリハビリ事業はハイチ人たちの生活と健康の向上に大変役立っています。災害復興支援の活動は、被災して困っている人々を、直接、目に見える形で助けることができるのです。

JICAは他にも道路・病院の整備や農業再興のための人材育成など、さまざまな形でハイチの復興支援を続けていますが、私たちyecも共に頑張ってゆきます。

レオガン市街地の水道管工事 写真6:レオガン市街地の水道管工事 小学校に作った共同水栓 写真7:小学校に作った共同水栓
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