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八千代エンジニヤリングが毎月お届けするちょっとイイ話

景観を考える まちなみの色彩~景観を考える~

  • 社会計画

近年、地域の個性や潤いある生活環境づくりに向けて、まちなみの景観をより良くしたいというニーズが高まってきています。そこで今回は、まちなみの景観において重要な役割を担う色彩に関してご紹介します。 

美しいまちづくり 

まちなみの景観と色彩

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衣服、家具、乗り物、看板、建物、自然など、私たちの身の回りは、多くの色彩で取り囲まれています。このような生活における色彩は「コミュニケーションの色」と「コミュニティの色」の大きく2つに分けることができるのです。

 

 

 

 

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「コミュニケーションの色」とは、ファッションや雑貨、工業製品などの色です。個人の嗜好やライフスタイルによって選ばれ、飽きたら簡単に変えることができ、新鮮さを感じることができる色といえます。

「コミュニティの色」は、生活の基盤であるまちなみの色彩を指します。コミュニティの色は、それを眺める多くの人に影響を与え、長期間にわたって影響し続ける色となります。そのため、個人の色の好き嫌いや流行に関係なく、多くの人にとって意味や価値のある色彩が求められていることを意識することが大切です。 

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生活における色彩の特徴

 

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私たちは、普段、色を赤、青、黄など色名で表現しますが、色名による表現は、人によってイメージする色が異なるため、すべての人が共有できる尺度で色彩を表現する必要があります。

 アメリカの美術教育者アルバート・マンセル(Albert Henry Munsell)により作り出された「マンセル表色系」が最も一般的に使用されている色彩の尺度です。マンセル表色系は1つの色を「色相」、「明度」、「彩度」の3つの属性を用いて右のように表現します。 

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○色相(しきそう)

色味のことで、10種類の基本色(赤(R)、黄赤(YR)、黄(Y)、黄緑(GY)、緑(G)、青緑(BG)、青(B)、青紫(PB)、紫(P)、赤紫(RP))の頭文字と各色相の度合いを示す0~10までの数字を組み合わせ5Rなどと表現します。
 

○明度(めいど)

明るさの度合いのことで、最も暗い色(黒)を0、最も明るい色(白)を10とし、その中間の段階毎の明るさの差が知覚的に等間隔になるように10段階に分割して表現しています。

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マンセル色相環図

○彩度(さいど)

鮮やかさの度合いのことで、色味のない無彩色(黒、グレー、白)は彩度0となり、色の鮮やかさが増すにつれて彩度の尺度値も等間隔に増え、その数値が増えていきます。色相によって最も鮮やかな数値(概ね0~14の範囲)が異なるという特徴があり、例えば赤の純色(最も鮮やかな色)は彩度14、青の純色は彩度8となります。 

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マンセル表色系の明度-彩度図

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まちなみの色彩を考える場合、現状の色彩を把握するために色の調査(測色調査)を行います。 

 

測色調査の方法は、たくさんの色標集と測色する対象を人間の目で見比べて測る視感測色法が一般的です。

一見、精度が低いようですが、人の眼は700万色以上を見分けられると言われており、経験を積めば、精度の高い測色が可能です。 

比較的安価に購入できる色標集が画材店などで入手でき、誰にでも出来る方法なので、興味のある方は、身の回りのモノや風景を測色してみるとおもしろいでしょう。 

img_f78-05.jpgのサムネイル画像

視感測色法の作業イメージ

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色彩の美と調和については、昔からいろいろな研究がなされており、調和の法則もたくさん提案されていますが、完全な法則はありません、しかし、「部分が全体を構成し、全体で見たときに統一感がある」ときに調和が感じられるといわれています。微妙な色合いが違う葉で構成された樹木や森の風景を例に考えるとわかりやすいのではないでしょうか。

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美しいまちなみの色彩とするには、「多様性と共通性があること」と「これが地域固有の特徴で成り立っていること」の2つが最も重要な要素ではないかと思います。

残念ながら、現代の日本では、「共通性」に欠け、煩雑な印象を与える色彩が氾濫しているまちなみが少なくありません。 

 

まちなみの美しさはすぐに手に入れられるものではありませんが、八千代エンジニヤリングでは、景観法に基づく景観計画や景観・色彩に関する各種ガイドラインの策定、景観に配慮した公共施設づくりなどを多数実施しており、これからもさらに美しいまちづくりに貢献していきたいと考えています 。

 

 

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