1. TOP
  2. ちょっとイイ話
  3. 2012年
  4. 水の上からの観光

八千代エンジニヤリングが毎月お届けするちょっとイイ話

水上バス 水の上からの観光

  • 河川・水工
  • 社会計画

世界の文明が大河の流域に生まれたように、古代から川は人々の生活に密着し、安く大量に輸送できる船は近年まで物流の中心でした。しかし、トラックなどの陸上交通の発達とともに主役の座を奪われ、都市のなかの川は、表舞台から廃水などが流れる裏舞台へと姿を消していきました。しかし、最近になって「観光」の観点から水辺の環境や水上交通が見直され、全国各地で観光舟運の取組みが進められています。今回は川を運行する水上バスについてご紹介します。  

川を都市の表舞台に 

face_f80-mise.jpg

2011年春、福岡市の中心部を流れる那珂川で、水上バスの運航が開始されました。

 

 

 

 

h4_f80-01.jpg

都市の裏舞台となった現在の川で水上バスを運行するためには、様々な障害を乗り越える必要があります。  

川には当然橋が架かっています。都市のなかの橋は人や車をスムーズに通すことを目的としているため、道路として高低差の少ない構造が望まれます。

河川側にも基準はあるものの、船が通る橋の下の空間は狭くなり、特に潮汐や波の影響がある海の近くでは、運行する船の高さがさらに制限されることになります。

しかし、全国には、橋の下をぎりぎりで通るスリルを逆に売りとしているところもあります。厳しい障害は、それを克服できたときに強烈な個性になります。 

img_f80-01.jpg

屋根と頭を下げて、橋の下をぎりぎりで通過する(福岡市・那珂川)

 

 

h4_f80-02.jpg

これまでの川づくりは防災性が重視されてきました。

水を効率的に流すためのコンクリート三面張りと呼ばれる護岸や、洪水から市街地を守るための高い堤防によって、舟からの眺めは味気ないものになっています。

また、川を背にした建物では、建物の裏側が見られることになります。

水上バスの乗客に気持ちよく楽しんでもらうためには、川からの眺めを意識し、公共と民間が一体となった景観づくりが必要になります。

 

img_f80-02.jpg

遊覧船航路に面した民家裏庭の景観づくり(松江市堀川めぐり)

 

h4_f80-03.jpg

2012年6月、東京の隅田川では浅草からお台場に向かう航路に「銀河鉄道999」などを手掛けた松本零士氏デザインによる第二弾の水上バス「ホタルナ」が就航しました(第一弾は2004年に完成した「ヒミコ」)。 

水上バスを健全に運営していくためには、より多くの人に利用してもらう必要があります。そのためには、都市に訪れるに乗ってみたいと思わせる仕掛けづくりとして、「ホタルナ」のような魅力的なデザインや、陸から水上バスを見ることができる空間づくりも必要です。

img_f80-03.jpg

松本零士氏デザインによる水上バス(写真は「ヒミコ」)(東京都隅田川)

 

img_f80-04.jpg

水辺のオープンテラス(広島市京橋川)

 

h4_f80-04.jpg

はじめにご紹介した福岡市の取組みはまだ始まったばかりです。今後、水上バスが福岡を代表する観光資源になるよう、水上バスと連携したまちづくりが進められることと思います。

みなさんも福岡を訪れた際には、中洲のネオンを水上バスで川から眺めてみてはいかがでしょうか。

 

img_f80-05.jpg

那珂川水上バス1周年を記念した『桜宴』

img_f80-06.jpg

中洲の夜景 

 

八千代エンジニヤリングでは、平成21年度に福岡県から委託を受け、那珂川における水上バスの実現可能性を検討することを目的として、新設する乗船場の基本計画や需要予測に基づく採算性などの検討を行いました。   

今後も、水上バスの企画で培った経験を生かして、全国の水辺のまちづくりを支援します。  

 

那珂川水上バスに関する情報はコチラから→ 福博みなと出会い船HPベイクルーズふくおかHP

 

ページトップ