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yecが誇る名人たち

私は、これまでダムなどの土木構造物の基礎に関する地質調査解析と地下水の流動に関する地質調査解析に従事してきました。一見、関連のない分野を兼ねてきたように見えるかもしれません。しかし、そこにある岩盤や岩石、地層の性質、性状を「強度」の面で見るか、「透水性」の面で見るかの違いであって、その性状を示す「入れ物」(岩盤、岩石、地層)は同じものです。私はその「入れ物」の三次元的な空間分布とその時間的変化を意識できることが地質技術者の技術力と考えてきました。

 

「地質屋は見てきたような『うそ』を言い!」大学で地質学を学んで卒業し、建設コンサルタントに入社したとたん、ダムの設計部署の部長さんから受けた言葉です。そのときは、そこの地質状況の説明を、数億年前の地質時代から始める地質屋に対して「講釈師」まがいに揶揄する「失礼な発言」と、受け止めましたが、真意は「ボーリング箇所での基礎岩盤の深さを決めるのは、ダム技術者が決めることができる。しかし、その掘削線の向こう側(地山の中)が、見えているところと同じ強度や透水性であることを保証できるのは地質技術者だけだ。」ということで、技術や考え方が未熟だと「はずれる、つまり『うそ』になる」と、地質技術者として「研鑽」してゆくことへの期待を込めた忠言でした。同じような課題は、建設コンサルタントが係わるどの分野にも当てはまることで、例えば『地下水流動』でも、地下水が流れている場所とその根拠をきちんと説明できないと信用されません。

 

「見えない地下にどんな『性状』のものが、どの『位置』にあるのかを予測し、『保証』する」。『性状』はダム基礎として要求された「せん断強度」や、地下水の流れを決める「透水係数」であり、『位置』はその「性状」を示す岩盤、岩石、地層の立体的な分布、『保証』は時間が経過してもその『性状』や『位置』が変化するのか、しないのかの判断。これらの答えを求めてゆく。観察できた事実から複雑な地質事象を、過程を追いながら説明してゆく。我ながら「楽しい」ことを職業にしていると思っています。
 


大石朗(2016年7月フェロー認定)|地質技術の伝承

高さ82mの重力式コンクリートダムとして建設が進んでいる新潟県奥胎内ダムは多雪地帯に位置し、工事が夏場に限られます。
私が、担当したダム敷き掘削とコンクリート打設の工事だけで、かれこれ10年、ようやく最後のコンクリート打設を迎えます。この後も2年後の試験湛水まで現場を地質屋の目で見つめて行きたいと思います。
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