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ダム

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はじめに

施工計画の位置付け

ダムの設計が行われた後には、どのような方法で施工をするのかを決めるため、施工計画を行います。また、必要な設備の仕様を決める施工設備設計を併せて行います。
施工計画・施工設備設計は、ダム事業の工期を決めるための重要な作業となります。また、これらの計画を基にして工事の金額が決定されることとなり、検討作業を行う際には、安全性や環境への配慮に加えて、コスト面を常に意識することが求められます。
更に、ダム工事は大規模であり、ダム本体だけでも掘削工、基礎処理工、堤体工等、多種の工事があるとともに、他の機械設備工事、周辺工事、管理設備工事とも調整しながら工事を進める必要があります。このため、ダム本体工事の施工計画を立てる上では、ダム全体の工事をコーディネートする役割も求められます。

検討の流れ

施工計画・施工設備設計の基本的な流れはフロー図に示すとおりです。
ここでは、コンクリートダムを例にとり、施工計画・施工設備設計の概要を紹介します。

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ダム工事の流れ 

実際に行われたダム工事の状況は以下の写真のとおりです。
地山の掘削工事に始まり、ダム本体を造るためのコンクリート打設工事等が行われます。また、ダムは大規模であり、工事が長期間に及ぶため、トンネル水路等により河川を切り替えたり、工事を行うために必要となる設備(仮設備)を設置する工事等も行います。
施工計画・施工設備設計では、これら全体についての検討を行います。

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施工計画・施工設備設計の概要

施工計画条件の整理

施工計画の立案にあたっては、現場の天候状態を把握する必要があるため、過去の気温や降雨、降雪量データを整理して、工事の種類毎に各月で施工が行えると考えられる日数を設定します。
また、施工現場周辺の住家等を調査し、ダム建設工事が近隣住民の生活に影響を及ぼすことが想定される場合には、照明や騒音、振動等の対策を検討します。動植物に対する影響が予測されている場合には、影響する場所や時期を避けて工事を行うように計画します。

施工設備全体配置計画

ダムの施工に必要な設備の配置についての検討を行います。通常、十分な配置スペースが確保できないことが多いため、幾つかの地点に分けたり、利便性を確保した上で設備の配置をコンパクトにする等の工夫をします。

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施工方法の検討

転流工
ダムは河川を横断して配置されることから、施工の際には現場をドライにするために河川を切り替える必要があります。この工事準備のための河川切り替え工事を転流工と呼びます。
河川の切り替えは、トンネル等の水路により別ルートにバイパスすることで行いますが、工事期間を考慮して発生が想定される洪水規模を設定し、洪水に対しての安全性を確保することが重要です。

基礎掘削工
掘削工法には、火薬を用いた発破掘削工法と、ブルドーザや大型ブレーカ等による機械掘削工法があります。これらは掘削箇所のスペースや、岩盤の状態を考慮して決定します。
掘削により発生する土砂や岩塊は、一般に処分場へ運搬します。

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骨材製造・貯蔵・運搬

ダムコンクリートを製造するためには、コンクリート用の骨材を確保する必要があります。ダム用の骨材を製造するため、採取した原石を必要な大きさに破砕する設備、骨材を粒径毎に貯蔵するための設備、骨材を運搬する設備等を検討します。これらの設備規模は、コンクリート打設期間を通じて必要量の変化に対応することを重視して決定します。

コンクリート製造・打設

ダムのコンクリートを打設するためには、コンクリートを製造するプラント設備からダム施工地点までコンクリートを運搬する必要があります。コンクリートの運搬方法には、ケーブルクレーンやタワークレーン等のクレーン設備を用いる方法、ベルトコンベヤー設備やダンプトラックにより運搬する方法等がありますが、ダム毎の設備配置における制約条件や、環境面への影響、経済性、工期(設備能力)等を総合的に考慮して決定します。
運搬設備を決定した後、最適な設備規模を検討し、コンクリートの打設スケジュール(リフトスケジュール)をシミュレーションします。

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施工設備の検討

濁水処理設備
ダム工事では多量の水を使用するため、濁水も多く発生します。このため、濁水処理設備を設けて適切に処理を行うための計画を立てます。なお、処理後の水はダム工事に再利用しする計画を立てます。

給排水設備
工事で使用する水は、一般的には河川から取水します。このため、河川の流量を調査して、必要となる水量が確保可能か検討を行います。

電力設備
工事用水の他にも工事のためには電力の確保が必要となります。 ダム工事全体にわたり、各種工事を考慮して、時期毎にどれだけの電力が必要になるかを積み上げて、受変電設備の規模を計画します。

工事用道路
工事に必要な建設現場内の道路(場内工事用道路)の他に、現場までに利用する一般道路(場外工事用道路)を計画します。通行する建設機械の規模を基に、道路設計を行います。

全体工程計画

検討した掘削工事やコンクリート工事等の機械設備能力と対象工事規模を基に、工期を決定します。併せて、各工事の関連性を考慮して、ダム工事の工程計画を検討します。
また、取水放流設備等の機械工事、管理設備工事等のダム事業に係わるその他工事の工程についても整理し、事業全体の工程表を作成します。これはダム事業の工期を決定する上で、重要な作業となります。

このように、ダムを建設するために様々な検討を行いながら、実現的かつ最適な工事計画を作り上げていきます。

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