水の持続可能性を高めるには
正しい分析と根拠のある方向性立案が必要
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水の持続可能性を高めるには
正しい分析と根拠のある方向性立案が必要
海外では、取水や排水など製造に関わる規制や、洪水や大雨、渇水による災害等、企業の操業に影響を及ぼす水問題が顕在化する傾向にあります。国内外20カ国以上に拠点や工場を展開する大手運送機器メーカーでは、気候変動を考慮した水に関わる環境対策や、製造時に使用する水の持続可能性を高めるための対策を行いたいと考えていました。しかし水使用量の削減目標をはじめ、対策の根拠となる具体的な方向性や目標が定められていない状況でした。
そのためまずは、水へのリスク分析を行い、具体的な方向性や目標を定める必要があると考えていました。しかし、水の特性として、偏在性(場所ごとにかたよって存在すること)があるため、各拠点や工場によって水へのリスクも異なるということは分かっていたので、どのようにリスク分析を行い、どのような視点で目標と対策を立案すべきか、というお悩みを抱えていました。
根拠のある現状分析や目標設定を定めることが、水リスクへの解決の第一歩
この課題に対し、私たちは、Aqueduct※1やWater Risk Filter※2(水リスクを評価するためのツール/以下グローバルツール)といった複数のグローバルツールを用いて、各拠点や工場の水リスクの分析を行いました。その結果をもとに、製造品目や水使用量等を踏まえた各種対策をご提案するとともに、対策案のグルーピングを行い、その優先度をマップとして可視化しました。
また水の持続可能性を高めるためには、水使用量の目標設定を行うだけではなく、地域全体の水資源の負荷を抑える必要があります。そのため私たちは、各拠点や工場の今後の活動方針を考慮した、水資源の負荷対策案等、複数の施策のご提案も行い、水リスク低減の方向性立案の支援を行いました。
※1 Aqueduct : WRI(World Resources Institute、世界資源研究所)が開発した水リスク評価のグローバルツール。拠点が立地する地域の水リスクを、水量、水質、規制・評判の観点で評価することが可能。
※2 Water Risk Filter : WWF(世界自然保護基金)とDEG(ドイツ投資開発会社)が開発した水リスク評価のグローバルツール。拠点が立地する地域の水リスクや、各拠点の操業の水リスクを評価することが可能。
各拠点の水のリスクマップ