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2018年、私たちは「この世界に、新しい解を。」をビジョンとして掲げ、総合建設コンサルタントとして民間市場への積極的展開を図る「長期経営方針(2018-2027年)」を開始しました。日本、そして世界では人口問題や地球環境問題などの重大な社会課題に直面しており、さらに頻発化・激甚化する地震や火山噴火・洪水への「防災・減災・国土強靱化」をはじめ、私たち総合建設コンサルタントが果たすべき社会的責任はこれまで以上に大きくなっています。
当社はこれまでも事業を通じてさまざまな社会課題の解決に取り組んできました。2024年からは「成長の加速」をコンセプトに第3次中期経営計画を始動させ、社会課題を市場機会と捉え、その解決と企業成長の両立を図る「サステナビリティ経営」を推進しています。
2025年は、大阪・関西万博の開催を通じて「未来社会」の姿が示された一方で、現実社会では人口減少と高齢化が深刻さを増し、社会構造の抜本的な変革を迫られる一年でした。気候変動の影響ももはや疑いようがなく、夏には日本列島が記録的な高温に見舞われ、東京都心でも猛暑日の連続記録が更新されました。同年11月にブラジルで開催されたCOP30でも国際的な議論が交わされましたが、前例のない気候変動のスピードに対し、世界全体の解決への歩みはいまだ十分とはいえません。
気候変動が顕在化し、地球環境が限界を迎える今、脱炭素や再生可能エネルギーの拡大による「緩和」、そして激甚化する自然災害から人々の命と暮らしを守る防災・減災などの「適応」が求められており、私たちが培ってきた技術と知見が社会存続への鍵となります。さらに、現在日本政府が推進する「責任ある積極財政」の戦略17分野のうち、防災・国土強靱化はもとより、資源・エネルギー安全保障・GX(グリーン・トランスフォーメーション)、防衛といった領域でも私たちが担うべき役割は拡大しています。私たちは、従来の建設分野を超え、環境やエネルギー、マネジメントなどの領域にも対応する「サステナビリティコンサルタント」へと進化を遂げ、未来を見据えた課題解決に挑み続けます。
「成長の加速」には個人の力を組織の総合力へと昇華させること、従来の枠を超えた新領域・グローバル市場への展開が不可欠です。当社は現在、その実現に向けた取り組みを力強く推し進めています。
第一に、組織基盤と人的資本の強化です。個人の知識や技術力を組織全体の力に変え、より高い価値を社会に提供する基盤構築を進めています。生成AIの活用推進や各種業務支援ツールの開発など、DXによる生産性向上を定着させるとともに、65歳定年制への移行や福利厚生の拡充など、人的資本経営を推進しています。
第二に、新領域・グローバルでの事業共創です。2025年8月にインパクトCVC(コーポレート・ベンチャーキャピタル)である「SISI Innovations株式会社」を設立し、スタートアップとの共創による新規事業開拓を進めています。エネルギー分野では、次世代高圧ガス容器「CubiTan®」を活用したスマートガスネットワーク構築をインドネシアで進めており、今後は水素やバイオガスにも対象を広げ、国内展開も視野にいれて推進していきます。海外事業においても、いくつかの拠点に現地法人を設立し、国際協力機構(JICA)だけでなく現地政府などからも直接受注できる体制を整え、グローバル展開を加速させます。
生成AIなどのデジタル技術の実装が急速に進み、働き方や社会資本整備の生産性はかつてないスピードでアップデートされ続けています。しかし、全ての課題をデジタルが解決するわけではなく、アウトプットの価値判断や複合的な問題の解決などは、人が主体的に行う必要があります。AI時代にあっても「課題抽出力」や「思索力」「コミュニケーション能力」など、人間=コンサルタントとしての能力が同時に求められる今、私たちが社会課題の中心に立ち、重要な役割を担います。その根幹には、ステークホルダーや社会と同じ価値観を持ち、共有する「信頼」が不可欠です。
また、当社はスタートアップとの共創や戦略的提携といったオープンイノベーションを積極的に展開しています。社内外の知見を掛け合わせ、固定観念にとらわれない自由な発想で「期待値を超える」新たな価値を創出し、社会的な信頼を築きながら、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。
2026年9月
代表取締役社長執行役員
ーESGの取り組みー