ダムの漏水を排水するポンプ設備
ポンプ故障時に迅速に交換作業を行うための
搬入出設備導入プロジェクト
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ダムの漏水を排水するポンプ設備
ポンプ故障時に迅速に交換作業を行うための
搬入出設備導入プロジェクト
本プロジェクトを行うダムにおいて、ダムからの漏水を排水するためのポンプ設備が設けられています。そのポンプは漏水した水が集まるダムの最深部に設置されており、現地まで辿り着くには100m以上もある急な監査廊内階段を下りてアプローチする必要がありました。
そのため、ポンプが故障等のトラブルで動かなくなった場合は、監査廊内が浸水し、深刻な被害に発展してしまいます。300kg/台以上ある排水ポンプ、ポンプトラブル時に容易かつ迅速、安全に取替が可能となるように、監査廊内に常設型の搬入出設備を設けるプロジェクトに取り組みました。
ポンプの搬入出設備をCGにより示した(監査廊内階段をポンプが下るイメージ)
監査廊内には、壁の隅を通るポンプに接続される排水管のほか、電線や手摺り、点検架台といった、たくさんの設備が設けられておりました。新設する搬入出設備は、これら設備に干渉することなく設計することが求められました。搬入出設備は、監査廊内の階段両脇に配置した鋼製レールの上に、台車を載せ、電動ウィンチを利用して昇降させる方法を提案しましたが、鋼製レールを階段両脇に配置するにあたり、先ほどの設備と干渉しないか確認する必要がありました。従来の方法であれば、過去の図面や現地計測から干渉チェックを行いましたが、階段部含め、100m以上ある監査廊内を詳細に確認することは困難な作業で、非常に工数や日数を要します。
そこで、これら作業を効率よく迅速に進めるため、3次元レーザスキャナを活用した方法を提案しました。結果としてこの方法は、現地の状況を効率よく把握できただけでなく、新設する搬入出設備も3次元モデルで示し、統合モデルを作成することで、使い勝手の検証や各設備の使用マニュアルの作成に活かせるなど、複雑な機械設備の新たな設計手法の一つとして高い有効性を示すことができました。
3次元モデルで新設する整備を示した