既設・新設トンネルと
分岐・近接するトンネル計画を見える化
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既設・新設トンネルと
分岐・近接するトンネル計画を見える化
利賀ダムは富山県南砺市に位置し、庄川の右支川利賀川で建設を進めている多目的ダムで、現在ダム本体工事着手に向けて設計、周辺工事が進められております。
平成28年度、当社でダム本体工事着手に必要な「河床進入トンネル」の詳細設計業務を受注しました。
河床進入トンネルはダム軸左岸に計画されている利賀トンネル(1+2工区)[L≒5km]から分岐するトンネルです。両トンネルが接合することで河床への進入が可能となります。
当社では、ダム事業の全体工程を考慮し、各関連工事への早期着手を図るため、河床進入トンネル中間部に林道仙野原線からトンネル坑口を取付ける計画を提案しました。
また、河床進入トンネルには既設の導水路トンネルが近接する区間があるため、河床進入トンネル詳細設計では、近接する既設トンネルの影響回避、新設トンネル相互の整合、トンネル交差部(分岐部)の施工方法など、既設・新設トンネル間に生じた様々な課題の解決、妥当性検証にCIMモデルを活用することで合理的な設計、発注者との円滑な意思疎通、合意形成の迅速化を図りました。
CIMモデルによる河床進入トンネル計画全景
河床方向から望む河床進入トンネル
林道連絡トンネルと施工ヤード
本業務では、既設・新設トンネル間の3次元的位置関係の把握、河床進入トンネルルートの検証、トンネル交差部(分岐部)施工方法等を、CIMモデルを活用した3次元的な設計を展開し、視覚的に発注者へと説明する取り組みを行いました。
地形、利賀川、林道仙野原線、既設トンネルといった既存条件と、新設トンネル群の構造、施工ヤードといった計画条件をCIMモデル化することにより、以下の効果を得ることができました。
①立体的な位置関係の円滑な把握(見える化)
②2次元では見えづらい課題の抽出・説明(受発注者間の課題共有)
③3次元モデルによる課題解決策の説明(受発注者間の合意形成)
④3次元モデルを活用した検討時間の短縮化(トンネル相互離隔や最小土被り)
上記の結果、これらの効果は業務の効率化やミス防止にもつながりました。
打合せ協議時には、プロジェクターを用いて統合モデルや構造モデルを出席者全員で確認することで、瞬時に合意形成が行え、情報を過不足なく伝えることができました。特に、林道連絡トンネルの掘削から河床進入トンネルの掘削に至る施工方法に関しては、CIMモデルで施工ステップを示し、施工計画の妥当性を視覚的に確認して頂き、合意形成が図られました。
従来の設計手法に新たな技術となるCIMモデルを用いた3次元的な設計を組み合わせることにより、立体形状や高低差の可視化といった新たな視点で取り組み、高品質の成果品を発注者との円滑な合意形成のもと、作成しました。
プロジェクト詳細