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ペルー共和国で自然災害等の被害から住民を守る
実績

津波、地震の被害から人々を守る!

ペルー共和国で
自然災害等の被害から住民を守る

# 官公庁のお客様 # 海外 # ICT # 通信 # アメリカ # 防災危機管理

増加する自然災害に備えて

ペルー共和国は南米大陸の西側、太平洋に面した場所に位置し、日本では「マチュピチュ遺跡」、「ナスカの地上絵」などの有名な観光地がある国として知られています。また、ペルーは日本と同じ環太平洋地震帯に位置しているため、過去に大きな地震が発生し、津波災害のリスクが高い国としても知られています。自然現象による災害が過去30年で増加傾向にあるとの研究結果も出ており、地震や地震に伴う津波の観測と住民への予警報の強化は火急の課題となっていました。
一方、日本でも、2011年3月11日に東日本大震災が発生し、その教訓の一つとして、津波警報が避難の促進や公共交通機関の事故等を防止する上で重要な役割を果たすことが再認識され、日本の気象庁は、有識者らによる勉強会を立ち上げ、津波警報のさらなる改善に向けて検討が進められてきました。
このような背景から、2011年に日本政府は地震や津波の被害リスクが高いと思われるアジア・環太平洋諸国を対象に防災対策の現状等の把握を目的とする調査を実施し、ペルーを含めた6ヶ国へ支援することを決定しました。
本プロジェクトでは、ペルーの太平洋沿岸部に「緊急警報放送システム(EWBS:Emergency Warning Broadcast System)」と潮位計を整備し、ペルーの津波防災能力の向上と予警報の早期伝達を図ることで、自然災害などの被害を低減することを目的としています。

  • EWBSを利用してTV画面に警報を発出している(デモ)様子

1,000万人の命を守る

本プロジェクトは日本の無償資金協力のスキームで実施されており、当社は一般財団法人日本国際協力システム(JICS)と共にプロジェクトの調査・設計、入札業務、EWBSと潮位計据付工事の施工監理業務などを担当しました。
調査・設計段階では、「東日本大震災からの復興の基本方針」に従い、機材の内容や設置場所などが決定され、地上デジタル放送日本ブラジル方式を活用したEWBSをペルー国営放送(TV Peru)の本局と支局の計7ヶ所(トルヒーヨ、リマ、カニェーテ、ピスコ、アレキパ、カマナ、イロ)に、津波観測のための潮位計が沿岸部8ヶ所(ラ・クルス、バヨバル、ウアルメイ、ワッチョ、セロ・アスル、アティコ、ラ・プランチャダ、カレタ・グラウ)に整備されました。
この結果、津波観測については既存の9ヶ所に加え、本プロジェクトで新たに8ヶ所の潮位計が増設されたことにより、ペルーの海岸線約2,200kmを17ヶ所の潮位計観測網でカバーすることが可能となり、津波観測の精度を向上させることができました。
また、EWBSを整備することで、地震・津波等の災害多発国であるペルーの災害情報伝達能力が強化され、事業対象地域の住民約1,000万人(ペルー総人口の約1/3)は、地震・津波などの災害時に同システムからの情報提供により、早期避難行動などを取ることが可能となりました。



※2020年1月時点での情報です。

  • 潮位計の設置状況(ラ・クルス)

プロジェクト詳細

    業務名 :ペルー共和国広域防災システム整備計画
    発注者名:市民防衛庁(INDECI)