宇部市 地域再生可能エネルギーを活用した
「シュタットベルケ」の構築
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宇部市 地域再生可能エネルギーを活用した
「シュタットベルケ」の構築
再生可能エネルギーを取り巻く背景として、2012年に開始した固定価格買取制度により、住宅に設置した太陽光発電の電力を電力会社が買い取る期間が2019年以降、順次終了していきます。これらの太陽光発電は「卒FIT」と呼ばれ、これからの地域の資源として捉えることができます。
山口県宇部市は「地域のエネルギーが地域の元気につながるまちづくり」を目指し、ときわ公園の次世代エネルギーパーク化、メガソーラーの誘致、公共施設の屋根等を活用した太陽光発電事業など、再生可能エネルギー導入に向けた取り組みを進めています。
そして、新たに市や民間事業者により設立された地域新電力「うべ未来エネルギー㈱」では、エネルギーの地産地消を目指しています。
そこで本プロジェクトでは、卒FIT太陽光等、地域の資産を課題解決につなげるビジネスの可能性について調査しました。
市内の太陽光発電設備
地域資源を活用して地域の課題解決につなげるビジネスには、地域の低炭素化につながるエネルギーマネジメントサービスや新たな再生可能エネルギーの導入等、様々な内容が挙げられます。
宇部市では、路線バスを宇部市交通局が担っており、一定の需要が見込まれることや、利便性向上・行政負担を少なくすることができる可能性があると考え、グリーンスローモビリティ(電動で、時速20km未満で公道を走る4人乗り以上のパブリックモビリティ)を活用した路線バス事業を新たな地域交通ビジネスとして検討しました。
卒FIT太陽光や廃棄物発電等の地域の再エネを調達し、地域新電力を通じて車両の電源として供給することで、エネルギーの地産地消や脱マイカーによる温室効果ガスの削減にも寄与することになります。
将来的には、一つのサービスで異なる交通手段の検索・予約・決済が可能な交通サービスをパッケージ化した「MaaS(=Mobility as a Service)」につなげる可能性も見据え、段階に応じた取り組みを実施していくことを提案しました。グリーンスローモビリティの実証運行も行われ、今後の事業化に向けた取り組みが進んでいるところです。
このような取り組みは、日本における「シュタットベルケ(ドイツに約1,400社以上ある、地域公共サービスを担う公的な会社のことで、エネルギー分野においては、ドイツ国内民間4大大手エネルギー会社の売上合計を上回るシェアを握っている。)」構築の検討にもつながり、地方創生の文脈においても注目されています。
市内を走行しているグリーンスローモビリティ
プロジェクト詳細