地域に眠る「熱」を、未来の「価値」に変える
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地域に眠る「熱」を、未来の「価値」に変える
2050年カーボンニュートラル、2030年温室効果ガス46%削減という国の目標達成に向け、各自治体で地球温暖化対策の具体化が急務となっています。当社では、かねてより脱炭素化が課題とされる農業分野に着目しており、特に施設園芸における冬季加温が、環境負荷と農業経営の両面から重要であると認識し、解決策を検討していました。
そのような中、施設園芸でのみょうが栽培が盛んな高知県須崎市より「須崎市地球温暖化対策実行計画(区域施策編)」(以下、本計画)の改定支援業務を受託しました。温室効果ガス排出量の現況調査や将来推計、削減ポテンシャルの分析を実施し、これに基づき10の重点施策からなる2050年までのロードマップを策定しました。その施策の一つとして、当社が検討してきた農業分野の脱炭素化の取り組み「地下水を利用したヒートポンプシステム」を提案しました。
園芸ハウスに設置されたヒートポンプ
当社は、地域の農業組合や電力会社、空調・農業関連の設備会社と協力し、須崎市の施設園芸に地下水を利用したヒートポンプシステムを導入しました。本システムは、年間を通じて温度が安定している地下水の熱エネルギーを活用し、園芸ハウスの加温時の消費電力を抑制する仕組みです。導入効果として、従来の燃油式ボイラーと比較し、CO₂排出量は約55%、農業経営の負担となっていたランニングコストも約30%削減されることが確認されています。
須崎市は、本計画の策定を機に「須崎市ゼロカーボンシティ」を宣言しました。さらに、この地下水利用ヒートポンプの取り組みが柱となり、環境省の「脱炭素先行地域」にも採択されました。これにより、国の補助金を活用したヒートポンプシステムの導入が力強く進展するなど、当社の取り組みが地域の脱炭素化を大きく前進させるきっかけとなっています。
※2025年7月時点の情報です
ヒートポンプで温めた空気を園芸ハウス内に循環
プロジェクト詳細