高速自動車道の4車線化を3次元設計
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高速自動車道の4車線化を3次元設計
NEXCO東日本管内における高規格幹線道路の磐越自動車道 西会津IC~新潟中央JCT間は暫定2車線で供用後約20年、日本海東北自動車道 新潟空港IC~荒川胎内IC間は暫定2車線で供用後約15年が経過しています。この暫定2車線区間において、サービス水準の向上を目指した完成4車線化の概略設計を、CIMを用いた3次元設計により実施しました。
道路概略設計では、国土地理院の基盤地図情報数値標高モデルの精度向上を目的として、本線についてMMS計測(車載車線レーザ測量)を実施し、現況路面高を把握して縦断設計を実施しました。また、土工数量計算や図面作成および橋梁・トンネルの工事用道路設計においてもCIMを活用した3次元設計を実施し、ルート等の比較検討を行いました。
また、今後必要となる関係機関との協議資料の作成、打合せ協議、社内照査など、3次元モデルを活用して効率的に業務に取り組みました。
©2018東日本高速道路(株)新潟支社
Civil3Dモデル ©2018東日本高速道路(株)新潟支社
本業務では、当該設計区間の供用路線は供用後約20年が経過しており、特に軟弱地盤上の盛土区間では沈下により路面の不均等であること等が当初より想定されました。このため本線についてMMS計測を提案して実施し、国土地理院の地図情報レベルの精度を上げてCIMによる縦断設計を実施しました。
MMSによる計測した点群データはGPSによる座標を持つデータです。計測区間は50km以上と長く自動車専用道路であるため、立入が可能な高速バス停留所において標定点測量を行い、点群データの位置精度の確認を行いました。
本線の縦断設計では、MMS計測で取得した点群データと当初の縦断計画を検証し、計測した点群データを用いてⅡ期線(完成4車線)すり付け部の縦断引き出し勾配を設定して行いました。工事用道路設計では、検討箇所の現道についてもMMS計測により3次元モデルを作成し、供用路線(Ⅰ期線)および計画路線(Ⅱ期線)の構造物とのクリアランスを確認して比較検討により設計を行いました。また、MMS計測による点群データより走行シミュレーションを行い、供用路線の道路機能(走行性、視認性)の確認も行いました。
作成した3次元モデルを活用して、今後必要と想定される施工時の安全確保や日照に関する関係機関との協議用基礎資料の作成、打合せ協議、社内照査などを行うことで、効率的かつ、合意形成の迅速化につながりました。
ラーメン式橋台の中空部を通りⅠ期線と立体交差させた工事用道路の計画 ©2018東日本高速道路(株)新潟支社
(上)目隠し版設置のイメージ、(下)運転者からみた目隠し版 ©2018東日本高速道路(株)新潟支社
プロジェクト詳細