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しあわせつながる“角島大橋”
実績

インスタ映えスポット!
死ぬまでに行きたい「日本一美しい橋」

しあわせつながる
“角島大橋”

# 官公庁のお客様 # 国内 # 交通基盤 # 構造橋梁

夢の架け橋

2000年に開通した、豊かな自然環境と美しい自然景観に恵まれた角島大橋。開通当時は通行料金が無料の離島架橋としては日本最長でした。
かつて、角島と本土との連絡は1日7便の町営渡船のみで、荒天時や緊急時には不自由を余儀なくされており、日常生活や社会、経済活動に多大な支障をきたしていました。このため、住民は角島大橋の完成を長年切実に待ち望んできました。そして完成した現在は、地域の利便性、安全性の向上と生活圏の拡大はもとより、地域産業の活性化や自然環境を活かした観光振興に大きく寄与しています。
角島大橋の線形は、本土と角島の中間に位置する北長門海岸国定公園の第1種保護区域に指定されている鳩島と周辺岩礁への自然環境的な影響が低減できるように、鳩島を迂回する曲線及び直線とで構成されています。橋を利用する人にとって自然景観を眺望できる開放的な空間を演出すること、そして主役はあくまで海や島などの周辺景観であるという、「周辺環境との調和と融合」を景観コンセプトとしました。この景観コンセプトに基づき、橋梁設計では主桁、橋脚基本形状やPC桁と鋼桁との接続、また上部構造と下部構造との不連続性を解消する構造形状としています。このような取り組みが評価され、2003年には「土木学会デザイン賞2003」の優秀賞を受賞しました。
角島大橋は、山口県の新たな観光スポットになっているほか、自動車CMのロケ地として多く採用されています。

  • 自動車CM等で良く利用されている橋梁

  • 航路条件のため意外に高低差がある

  • 橋名板のモニュメント

厳しい自然環境への挑戦

架橋地点は、日本海に面しており冬季風浪に代表されるような気象条件が非常に厳しい場所です。
日本海の外洋に架橋された多径間連続橋梁としては国内でも事例がなく、漁業資源の豊富な海域における汚濁の影響低減や冬季の気象・海象条件の厳しさの中で施工や将来の維持管理に課題がありました。施工の課題に対しては、いかに現場工期の短縮を図るか、特に波圧を大きく受ける橋脚の躯体構築の施工が角島大橋架橋工事の命題でした。このことから設計計画では、上部構造・下部構造とも様々なプレキャスト化への試みを行っています。
上部構造では、季節風が強く厳しい塩害環境において、暴露面積が小さく飛来塩分の影響軽減が図れるPC箱桁構造を主体としたプレキャストセグメントによる張り出し架設工法を採用しています。下部構造では、P1橋脚~P3橋脚の直接基礎を除き、プレキャスト化工法として、吊り込みケーソン基礎、PCウェル基礎、一括吊り込みによる直接基礎、鋼製水中フーチング場所打ち杭基礎の4形式を採用し、水深と地質状況に合わせ適切に配置しています。特に鳩島から角島間の水深の深い部分に採用した鋼製水中フーチング場所打ち杭基礎という急速施工方法は、躯体吊り込みからコンクリート充填固定まで2日間で完了し、海象条件の厳しい架橋地点での橋脚急速施工作業を克服しました。また、将来の維持管理の課題に対しては、塩害対策への予防保全措置として上部構造・下部構造に遮塩効果に優れるシラン系含浸材の塗布対策を行っています。



※2019年9月時点での情報です。

  • 海上のため様々なプレキャスト化(工場製作)

  • 橋脚(柱)の吊り込み準備の様子

  • 橋脚(柱)の吊り込みの様子

プロジェクト詳細

  • 業務名:平成5年度(角島大橋)代行橋梁整備工事に伴う橋梁詳細設計
    発注者名:山口県豊田土木事務所

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