
フィンバックって知ってる?
新幹線初のフィンバック橋梁
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フィンバックって知ってる?
新幹線初のフィンバック橋梁
2015年3月に長野・金沢間が延伸開業した、北陸新幹線。この開業をきっかけに東京・金沢間が最速約2時間30分となり、北陸新幹線の利用者は、在来線当時の3倍に増えました。
しかし延線するにあたって、日本海側の豪雪地帯かつ海岸線から近い塩害環境という厳しい環境条件下においても、新幹線が高速で走行が出来る橋梁を計画・設計しなければなりません。姫川橋梁の計画・設計はそのような厳しい環境下に対応する構造形式・環境対策を行う必要がありました。
姫川橋梁の架橋位置
当社が橋梁を計画・設計した1級河川の姫川は毎秒5,000tの計画高水流量を有し、出水期には飛騨山脈からの雪解け水により上流において過去数回の堤防崩壊を起こしています。
この河川に架橋する際に与えられた条件は以下のとおりです。
①上流に位置する国道8号姫川大橋を近接橋としてスパン割を行うこと。
②ピアアバット形式は極力採用しないこと。
③河川管理用通路と新幹線桁下離隔は4.5m以上確保すること。
④右岸堤防上には桜堤(遊歩道)があり、景観を配慮すること。
これらの条件を満たすスパン割から側径間の桁下空頭確保が可能な構造形式として、7径間連続PCフィンバック橋(中路箱桁断面)を採用しました。フィンバック形式は、支点部において中路桁の橋面から飛び出たウェブ部の高さを確保する構造で、橋梁全体の見た姿が魚の背びれ(フィン)に似ていることから名づけられました。本橋架設位置は、海岸線より700m以内と塩害対策も必要であることから、メンテナンス上の問題から外ケーブル方式の橋梁を避けることとしました。また、コンクリート打設時の発熱による微細なひび割れを考慮すると、鉄筋被りのみでの対応では不安が残るとの判断から、無色透明な塩害防水塗装を全周行う計画としました。さらに防風対策として、厚さ15mmナイロンコード入り透明アクリル板の使用としました。
そのような様々な設計上の検討を行い、高速で安心して走行が出来る橋梁が出来上がりました。
姫川橋梁の全景
プロジェクト詳細