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トライアル寄港で物流交流の変革を目指す
実績

拓く~沖縄と世界を結ぶ新たな海の道を~

トライアル寄港で
物流交流の変革を目指す

# 官公庁のお客様 # 国内 # 交通基盤 # 港湾・空港

積極的な海外展開を目指して

沖縄県本島中部の東海岸に位置する中城湾港は、うるま市など3市2町2村にまたがる広大な海域を有する港湾です。中城湾港の新港地区は水深13m岸壁をはじめとする大型岸壁が整備されるともに、国際物流拠点産業集積地域(経済特区)に指定され、高度な技術を持つ企業や積極的な海外展開を行う企業が集積しています。
経済発展を続ける沖縄県では年々港湾取扱貨物量は増加傾向にありますが、貨物の多くは本島西側の那覇港を拠点として、内航輸送(本州、九州、四国などとの移出・移入)及び外航輸送(海外との輸出・輸入)が行われています。那覇港では、貨物量の増加に伴う荷捌きや保管用地の不足が健在化しており、貨物の混雑は、周辺道路の渋滞の一因にもなっています。さらに那覇港では、大型クルーズ船の寄港が相次ぎ、港湾空間は物流のみならず人流においても逼迫している現状があります。
こうした背景を踏まえ、本調査では中城湾港新港地区の利用促進を図るため、中城湾港に船舶をトライアル寄港させ、その効果を検証することを目的として実施したものです。中城湾港の利用促進は、中城湾港周辺立地企業等の利便性向上を通じた地域経済の活性化と、那覇港への過度な集中の是正と適切な機能分担を図ることによる沖縄県港湾の物流構造の変革も目的としています。

  • 県内離島へのダイレクト輸送

  • 外貿コンテナ貨物の荷役

トライアル寄港の効果

【事業の概要】
本調査では、市場調査を行い、中城湾港新港地区の利用ニーズの把握を行うとともに、那覇港に定期航路を就航している船社を対象に、実際に中城湾港にトライアル寄港をして貰うための意向確認、課題抽出、スケジュール調整を行い、次の3つのトライアル寄港を実現させました。

【トライアル寄港の概要】
①博多港RORO船航路
中城湾港新港地区の背後に立地している自動車販売店の新車20台を博多港から運びました。中城湾港で初めての新車貨物の取り扱いになりました。
②台湾航路
新港地区に立地する企業の貨物を台湾から直接輸入しました。外貿貨物取り扱いのために必要な通関、保税輸送などの手続きも新港地区内で一貫して行いました。
※RORO船:フェリー船のように自動車が船舶のスロープを利用して直接乗り降りできる方式の船舶
③離島航路
県内離島である宮古島、石垣島とを結ぶ運航を6回実施しました。従来は那覇港に寄港している船舶をトライアル期間は那覇港を経由せず、中城湾港と離島を直接結ぶ運航を実現しました。

【トライアル寄港の効果と展望】
トライアル寄港の効果として陸上輸送コストの縮減や、貨物輸送時間の短縮などの効果を確認することができました。さらに新たな航路誘致は、地域の物流を活性化し、雇用促進や税収増加などの効果も期待されます。一方、物流関連機能(行政機関、企業等)の多くが那覇港周辺に集積していることから、今後はこうしたトライアル寄港の活用事例を積み重ね、一歩一歩課題を解決していくことを目指しています。



※2020年1月時点での情報です。

  • 県内離島へのダイレクト輸送

  • 県内離島へのダイレクト輸送

  • 中城湾港(新港地区)位置図

プロジェクト詳細

    業務名 :平成30年度国際物流トライアル推進事業
    発注者名:沖縄県うるま市