市民文化の拠点施設を未来へ承継する
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市民文化の拠点施設を未来へ承継する
所沢市民文化センター(ミューズ)は大ホール(2,002席)、中ホール(798席)、小ホール(318席)、展示室(383㎡)等から構成され、国内有数の音響性能を有する複合文化施設として市民はもとより国内外の演奏家からも愛され親しまれてきた施設です。
1993年に竣工したミューズは、東日本大震災後の天井脱落対策を含む耐震化対策、建物や設備の老朽化対策、誰もが安心して利用できるためのバリアフリー対策を、できるだけ財政支出を抑えながら実施することが喫緊の課題となっていました。所沢市民文化センター改修事業(本プロジェクト)は、こうした課題を解決することを目的として、2020年のリニューアルオープンとその後10年間の維持管理を所沢市と民間事業者が連携して実施するPFI事業です。
実施体制
現在工事中のミューズの外観
本プロジェクトは、先駆的な取り組みが多い事業です。
第一に、施設改修のPFI事業であること。これまでPFI事業は新設施設を対象とするものが一般的でしたが、既存施設を賢く使うことが重要となる人口減少社会において、改修PFI事業は有効な公共施設のマネジメント手法といえます。
第二に、技術面でも国内有数の音響性能の維持とコスト縮減を両立させるため、大ホールは既存天井を残置して耐震化工事を実施し、公共施設として初となる大臣認定ルート(天井耐震化工事の検証方法)を採用していることも、公共音楽ホールの改修事例としてモデルケースとなる取り組みです。
最後に、官民の役割分担も、一般的なPFI事業と比較して複雑であること。例えば、改修段階では、基本設計は市、実施設計は民間、大ホール天井改修工事の大臣認定は申請を市が担当し民間事業者がその支援を実施します。一方、リニューアルオープン後も、維持管理は民間、運営は市が担当するなど、事業を円滑に遂行するためには、所沢市と民間事業者の緊密な連携が不可欠です。
当社は、代表企業として本プロジェクトの統括マネジメントを担当しています。公共事業を民間の創意工夫によってよりよく実施するPFI事業のメリットを最大限に発揮できるよう、設計・建設・維持管理業務を担当する民間企業の専門性を結集し、前例のない課題にも一歩先行く解決策を提示することで、所沢市のパートナーとして事業を円滑に進めていきたいと考えています。
既存天井を残して耐震工事を行うことで、国内有数の音響性能の維持とコスト削減の両方を叶えた
中ホールの改装の様子
プロジェクト詳細