インドネシア国・理工系大学校舎の
設計・施工監理
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インドネシア国・理工系大学校舎の
設計・施工監理
西ジャワ州のバンドン市の中央に位置するバンドン工科大学(以下ITB)は、1920年にその前身である技術系高等学校として創立された最古の大学のひとつです。イ国では最も優秀な理工系大学として評価されており、アジア近隣国はもとより日本の有名大学とも多く交流が有ります。
近年、インドネシア国の産業・工業の発展は、めざましいものがあり、ITBは、理工系教育の中心的な位置に有り、これまでも政府機関や民間企業に中核となる人材を多く輩出しています。しかしながら国の成長に伴い、益々高度な技術者の育成や確保が必要となる社会情勢の中で、生徒数に比して大学の教育施設や学習機材が不足しているという問題に直面していました。
本案件は、ITBの教育設備向上を目的とした、事業費総額約78億円の円借款案件であり、その内、約56億円を我が国が資金援助するものです。当社は2011年より、設計業務、施工監理業務及び機材調達監理業務を実施し、2018年10月に全業務を完了しました。主な業務内容として、以下を実施しました。
◆新築校舎(4棟)の設計・施工監理業務
◆既存校舎(4棟)の改修工事の設計・施工監理
◆ICTネットワーク構築
◆教育機材(約600種類)の調達・据え付け監理業務
◆入札図書作成・入札評価
◆家具類の調達等を実施しました。
ITB GANESHA キャンパス鳥瞰図と新設建物位置
上:CRCS校舎、下:CADL校舎
上:CAS校舎、下:CIBE校舎
本案件の主要コンポーネントである新設校舎は、CRCS棟・CAS棟・CADL棟・CIBE棟の4棟であり、いずれも、構造形式は、RC造・杭基礎で、総床面積は約40,000㎡、階数は、地上6階建て程度の建物です。CRCS棟には、約400人を収容できる多目的大ホールやメディアセンター、大・小セミナー室、コミュニティサービスセンター、データセンター及び事務室が有ります。CAS棟には、ナノ研究室・無響室・残響室・数学部・天文学部・セミナー室・大小会議室等が有り、CADL棟には、芸術学部の教室、創作室や展示室、及び語学学部の学習教室が有ります。また、CIBE棟は土木学部の校舎で、構造実験用反力床及び壁・土質実験室・セミナー室・教授室等が有ります。なかでもイ国の他の大学には無い特殊な施設として、CAS棟の無響室・残響室、CAS棟のナノ実験室、CRCS棟の多目的大ホール、CIBE棟の構造物振動実験用反力床・壁などが挙げられます。
機材調達業務では、海洋工学、道路工学、土質工学、水質工学用の機材の他、放送機材、語学機材など約600種類の機材を調達・納品しました。
大学整備の結果は顕著であり、ITBは、QS世界大学ランキングにおいてアジア部門では、2016年は122位、2017年は86位、2018年には65位と確実に上昇しています。
無響室:壁・床・天井の吸音材により室内での音の反射をほぼなくし、音源を有する製品や材料の動作音の測定や音響機器の開発等を行う部屋
ナノ・バイオプロセス実験室:10億分の1を示すナノは原子や分子を示すスケ-ルで、電子デバイスや医療分野はもとより様々な分野への応用において期待されている
構造実験用・反力床と壁 :「反力床・反力壁」とは機械的な駆動装置を用い構造物の静的・動的な振動実験や材料試験を行う為の施設。動的実験時の荷重に耐えうるよう鉄筋コンクリート造の中に縦横計427本のプレストレス・ケーブルを埋設している
プロジェクト詳細