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エジプトに水道を引くための浄水場建設と運営維持管理改善プロジェクト
実績

砂漠の国に水を引く

エジプトに水道を引くための
浄水場建設と
運営維持管理改善プロジェクト

# 官公庁のお客様 # 海外 # 都市環境 # 上下水道 # エジプト

ナイル川の水を水道として届け
水の不足を解消する

古代文明発祥地の一つエジプト。その歴史は紀元前3000年にもさかのぼります。ギザの三大ピラミッドやルクソールの王家の谷・アブシンベル神殿等、数々の古代遺跡が存在し、人口は9,000万人におよび、早晩日本の人口を超えると予測されている大国です。
エジプトと言えば砂漠の国であり、人口の約半数は、首都カイロ周辺から広がるナイルデルタと呼ばれるナイル川の扇状三角州に集中していて、人々はナイルの水を利用して生活してきました。しかし、近代化と人口増加が急激に進む近年、居住区のナイル川からの遠隔化やナイル川汚染・地下水等の従来型水源の不足から、ナイル川の水を浄水し、各地へ送配水する必要性が高まっています。
当社では、1980年代後半より、ナイル川の水を水道として人々に届けるための浄水場や送配水施設建設及びそれらの持続的事業運営に係る運営維持管理能力向上を展開してきました。

  • 当社が設計したピラミッド北部配水池(30,000m3)

  • 当社が設計したマハラエルコブラ浄水場(35,000m3/日)

水供給の支援と共に
運営維持管理能力向上を行うことで
エジプト水道の自活を達成

1980年代後半、大カイロ圏の一角で三大ピラミッドがあるギザ市では、人口増と住宅地域の拡大で深刻な上水道不足に陥っていました。しかし、エジプト政府は資金不足で浄水場や送配水管網の整備が困難なため、日本政府は無償資金協力(ODA)の提供を決定し、当社がその計画策定や工事施工監理を委託されました。これが、当社のエジプト水道への取り組みへの始まりです。ギザ市では、新しい住宅地域の水道需要算定から開始し、35,000m3/日の浄水場建設を支援しました(1994年)。なお、ギザ市はすでに都市化されていて用地制限があり、狭い用地内でどのように設備を構成させるかが検討の中心になりました。その後、その浄水場の水をギザ市の郊外まで運ぶための送水管や配水池及び配水管網建設の設計・施工監理を実施しました(2000年、2005年)。三大ピラミッドを背景に立地している当社設計の30,000m3配水池は、立地・景観も考慮して計画された構造物の一つです。
大カイロでの上水道事業のその後は、水道問題の中心は地方都市に移りました。地方都市は地下水の汲み上げ過ぎが原因で地下水不足や地下水の塩水化が発生していました。当社は、これをナイル川の水を浄水して市民に提供することで問題解決に導きました。その結果、ナイル川下流の都市で2ヶ所の浄水場が建設されました(2007年、2009年)。他方、地方都市では、浄水場はできても適切に運営維持管理できないという新しい問題が発生しました。これに対応するため、当社は、まず、カイロ北方のシャルキーヤ県で、その次にカイロから地中海沿岸に及びナイルデルタ地域一帯を対象にした、浄水場運転や配水管理改善を中心にした水道事業の運営維持管理能力向上プロジェクトを実施しました。
これらの結果、エジプトの都市部では100%近い水道普及率になり、エジプトの水道は日本政府の支援対象から卒業したと言われるようになりました。



※2019年9月時点での情報です。

  • 運営維持管理の指導を行う様子

プロジェクト詳細

  • 業務名:エジプト国ナイルデルタ地域上下水道公社運営維持管理能力向上プロジェクト
    発注者名:独立行政法人 国際協力機構(JICA)