ジブチ回廊の大動脈路線の復活
ジブチ国道一号改修計画
道路維持管理機材整備計画
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ジブチ回廊の大動脈路線の復活
ジブチ国道一号改修計画
道路維持管理機材整備計画
世界一暑い国といわれる「ジブチ共和国」、アフリカ北東部に位置し、アデン湾に面するジブチ国は近年、高い経済成長とともに新港の建設や鉄道の敷設等、複数の大型インフラ整備が進められています。一方、現在の輸送手段としては大部分を車輌による陸上輸送に頼っているため、交通量の急増による幹線道路の劣化が進行しています。特に、首都ジブチからエチオピア国境までのジブチ国道一号は、近年の急速な大型車交通量増加に伴い、既設舗装の損傷・劣化が急速に進行しています。大型車両の多くは通行困難な車道を避け、路肩もしくは路外を走行し、大型車両の横転事故が多発する等、深刻な問題となっています。さらに、アフリカ大陸の砂漠気候地帯にみられるワジ(季節河川)を渡河する箇所では、既設の洗い越し構造が降雨時に冠水し、度々通行不能となります。
本路線は、隣国エチオピアの輸入物資の9割以上が通過する最重要幹線道路であるため、緊急の改修工事が求められています。また、道路整備後においても道路維持管理機材の不足等から、維持管理が十分なされてないことが懸念されているのが現状でした。
ジブチ国道一号の舗装損傷現状と横転したタンクローリー車
本プロジェクトでは、最重要幹線道路である国道一号を通年通行可能とする高水準な国際幹線道路として整備することが求められています。そのための道路計画として、安全に走行できる横断構成とともに過積載荷重や気温(酷暑期6~8月の最高気温50度以上)に耐える改質アスファルト舗装を提案しました。さらに、通年通行が不能であるワジ渡河部については、全てボックスカルバートに変更することにより、通年通行を可能としました。これらにより、対象地域における旅客・物流の増加、通行所要時間の短縮、通行不能期間の解消、安全な交通空間を確保しました。
また、本道路は緊急改修が求められたため、工期短縮にも重点を置きました。対象サイト周辺には舗装主要材料となる骨材の製造プラントがない点を踏まえ、現地発生材(掻き込み砂利)で下層路盤を構成する舗装構造を採用することにより、骨材生産の工程を大幅(約3ヶ月間)に短縮しました。
加えて、ジブチの道路維持管理体制を強化するため、無償資金協力(ODA)による道路維持管理機材の調達を行うとともに、機材運用・維持管理システムの改善、道路パイロット施工、機材点検・整備能力及び道路維持管理体制の強化等のソフトコンポーネント(技術支援)を実施することにより、ジブチ政府が自立で道路や機材を運営・維持管理できる環境づくりに配慮しました。
完成予想図(ワジ渡河部)
現地の関係者を集めた道路維持管理強化セミナーの様子
プロジェクト詳細