変電設備の更新により首都圏の電力供給能力を改善
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変電設備の更新により首都圏の電力供給能力を改善
マラウイ国の首都リロングウェ市では、電力設備の容量不足と老朽化により停電が頻発しており、経済活動の大きな妨げとなっていました。本プロジェクトは、リロングウェ市のカネンゴ変電所とオールドタウン変電所の設備を改修・更新することで電力供給の安定化を図り、同市の持続的な経済発展を支援することを目的とします。
対象となる変電所は、主要産業が集中するリロングウェ首都圏に居住する約260万人の市民に電力供給することはもちろん、日本が無償資金協力にて整備したカムズ国際空港や、リロングウェ市内にあるカムズ中央病院へも電力供給している重要な電力系統を支えています。
当社は、独立行政法人国際協力機構(以下、JICA)の協力準備調査から本プロジェクトに携わり、その後、プロジェクト実施機関であるマラウイ電力公社(以下、ESCOM)と契約し、詳細設計、入札管理、調達・施工監理を一貫して担当しました。特に調達・施工監理では、ESCOMに対し、仕様書や施工計画書に沿って技術的な助言を行い、ESCOMの代理人として施工業者に対するプロジェクト監理業務を遂行しました。
JICAからは、コンサルタントとしての高い技術力や監理能力、実施機関との良好な関係構築、JICAおよび大使館関係者との適時適切なコミュニケーションが高く評価されました。
カネンゴ変電所の老朽化した変圧器(プロジェクト実施前)
完成したカネンゴ変電所(プロジェクト実施後)
電力需給がひっ迫するリロングウェにおいて、対象変電所の各設備は期待寿命の約30年を大きく超え、故障の危険性が極めて高まっていました。特にカネンゴ変電所においては、このままでは今後3年以内に電力需要に対する供給能力が不足し、既存の変電設備では3割以上の容量不足が見込まれる状況でした。
変電所の改修・更新(案)においては、変電設備容量の選定にあたり、電力供給エリアにおいて10年後の電力需要を予測する必要がありました。しかし、そのための情報が不足していたため、関係省庁へのヒアリングや工場など需要家への直接訪問を実施しました。その結果、適切な変電設備容量を選定することができました。また、本プロジェクトは、変電所の運用を継続しながら工事を行う活線接近作業を含む、技術的難易度が高いものでした。そこで、万が一作業員が転倒するなど不測の事態が発生した場合でも感電事故が起きないよう、確実な感電事故対策を徹底しました。具体的には、充電部から適切な距離を確保し、仮設フェンスや安全表示テープ設置することで、作業員の安全区域を明確化しました。さらに、特に危険度の高い工事はESCOMの立ち会いのもとで行うことを徹底し、万全の安全管理体制で臨みました。
約2年にわたる工事期間中は、新型コロナウイルス感染症以降の急激な物価上昇やロシア・ウクライナ戦争など、外部要因によるさまざまな困難に直面しましたが、ESCOM、施工業者、関係省庁などの関係者の協力もあり、スムーズにプロジェクトを完遂することができました。2024年5月に開催された変電所の引き渡し式典では、ESCOMのCEOから感謝の言葉をいただきました。
※2025年7月時点の情報です
活線接近作業中における安全対策の状況
安全パトロールでYEC社員(中央)が施工業者等に指導を行う様子
プロジェクト詳細