アジアモンスーン地域の森に閉ざされた
急崖斜面における調査事例
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アジアモンスーン地域の森に閉ざされた
急崖斜面における調査事例
老朽化が著しい鬼ヶ城砂防堰堤の補強対策検討に際し、空中写真判読や地質踏査により、急崖斜面の不安定土砂の分布等を評価することが求められていました。
しかし、現地の斜面は、平均勾配40~50°、過去の崩壊地は裸地となっており、アジアモンスーン地域特有の植生が広く濃く繁茂。転石浮石が散在するような現場でした。
樹木の下に散在する巨礫群
本プロジェクトでは、❶安全に、❷精度良く❸広範囲かつ、❹短時間に効率よく、地形・地質条件を把握する必要がありました。そのため、レーザースキャナを搭載したUAVにて地形情報を取得し、現地踏査の結果と併せて、不安定斜面を抽出しそれらの対策について検討しました。
レーザー測量最大のメリットは、生えている樹木など表面の高さや樹木間を突き抜けて地面の高さを把握できる点です。簡易測量の結果得られた標高の点群データを基にGISアプリケーションで地形解析を行うと、オルソフォトと呼ばれる写真だけでなく、樹高や樹木の下に隠れた急崖・巨礫などを視覚化することができます。これら地形解析の結果を持参して地質踏査を行うことで、調査精度の向上や安全な踏査ルートの事前検討が可能となります。
既存の詳細地図が無い地域でも、三次元の地形データ取得~地形図を即時に作成することができるので、災害発生時にも役立つ技術です。最近では、建設コンサルタントの分野でもCIM(Construction Information Modeling / Management)化が推進されており、専門的な知識に乏しい方にも調査・検討結果を理解いただけるようこれからも尽力したいと考えています。
レーザー測量の点群から作成した地形解析結果
レーザー測量の点群から作成した地形解析結果
プロジェクト詳細