水は、次世代からの預かりもの
-安曇野市水環境基本計画策定支援-
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水は、次世代からの預かりもの
-安曇野市水環境基本計画策定支援-
松本盆地の最下流部に位置する安曇野市は、盆地を流れる地下水の出口となっており、その豊かで清らかな湧水は、環境省の昭和の名水百選にも選ばれています。また、湧水は地場産業であるわさびを育み地域の観光スポットとしても有名です。しかしながら、近傍のわさび田の湧き水の量が減るという影響が生じ、地域の豊かで清らかな地下水を次世代に引き継いでいこうという機運が生まれました。 安曇野市は、水環境の保全・強化・活用を進める計画を策定するにあたり、行政だけでなく、わさび栽培者や市内上流域の井戸利用事業者からなる利害関係者を含む委員会を立ち上げ、関係者に対し丁寧に理解・合意を得ながら策定することを決断しました。 私たちは、この計画策定に至るプロセスを安曇野市と共に歩んできました。
環境省の昭和の名水百選に選ばれた「安曇野わさび田湧水群」
八千代エンジニヤリング現地撮影写真
観光スポットとなっている大王わさび農場
安曇野市観光交流促進課
安曇野ロケ支援事業ホームページより
http://azuminolocation.com/location/daiowasabi
利害関係者の合意形成にあたり、大きく2つの面で支援を行いました。自然科学の側面からは、地域大学の協力を得て、安曇野市だけでなく松本盆地全体の地下水の流れを、水循環(降水→地下水→湧水)を踏まえ、それぞれを調査・定量化・可視化することで明確に示した点が挙げられます。これにより、地下水の減少が、「減反政策による耕作水田減少や高齢化に伴う耕作放棄地増加」との利害関係者の共通認識醸成に繋がったことがひとつ目の支援です。 社会科学の側面からは、計画の実現性と持続性を高める上で、資金調達が課題となりました。これに対して、総論賛成各論反対の中、計画に「市内受益者による協力金負担を基本に指針を踏まえ、負担能力や揚水量等を考慮した広く薄い負担とする」と盛り込む支援ができました。これは安曇野市の利害関係者を参画させた委員会の最大の成果と考えています。 私たちは総合コンサルタントとして、地域の実情を踏まえ施策の実現性と持続性を高める解決策を地域の関係者と共に考えていきたいと思います。
安曇野市を含む松本盆地の地下水の流れ(安曇野市水環境基本計画マスタープランより) (https://www.city.azumino.nagano.jp/uploaded/attachment/25503.pdf)
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