歴史ある温泉街にオアシスを
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歴史ある温泉街にオアシスを
日本最古の温泉の一つ兵庫県の有馬温泉。その温泉街を流れる有馬川では、地域の貴重な水辺空間として1995年に整備された親水広場が、春の「有馬温泉さくらまつり」や夏の「有馬涼風川座敷」などのイベントに利用され、親しまれてきました。
2018年3月には、「有馬川かわまちづくり」が「かわまちづくり支援制度」※に登録されたことを機に、有馬温泉のさらなる魅力づくりと安全性向上に向けた親水広場のリニューアルや広場と一体となった遊歩道の整備、そしてこれらの施設の活用方策を検討・実現するプロジェクトが始まりました。
従来の親水広場は、凹凸が多い上、温泉街からのアクセス路が階段しかなく利用者が限定されることや、イベント時以外の日常的な利用が少ないことなどが課題でした。また、新たに遊歩道整備が計画された親水広場の下流区間では、ホタルが飛び交うなど豊かな自然環境があり、桜並木と石積み護岸といった優れた景観にも配慮した整備が地域から求められていました。
そのため、急流河川である有馬川の治水上の安全性を確保しつつ、利用・環境・景観とのバランスを考慮し、地域の意見も取り入れながら、「有馬らしさ」を感じられる水辺空間を創出することを目的に、本プロジェクトを推進しました。
※国土交通省が推進する、地域活性化のため市町村、民間事業者および地元住民と河川管理者の連携の下、河川空間とまちの空間が融合した良好な空間形成を目指す取り組み。
【有馬川親水広場の完成イメージはこちら】
親水広場(整備前)
遊歩道整備予定区間でお花見をする人々
有馬温泉の街並み
本プロジェクトで求められる、①治水、②利用、③環境、④景観という4つの要素は、互いに影響し合うトレードオフの関係にあります。これら4要素のバランスをどう取るか、整備の方向性について合意形成を図るため、有識者と観光協会など地元代表者で構成される検討委員会を計5回、地元住民向けのワークショップを計4回開催し、幅広い意見を収集しました。
委員会やワークショップでは、技術的知見や事例などの情報提供を行いながら、専門知識がない方でもイメージしやすいように3DモデルやVR(Virtual Reality)を活用し、誰もが将来像をイメージできるよう工夫しました。これにより、従来の二次元図面によるやり取りと比べ、意思疎通や論点の共有、合意形成をスムーズに行うことができました。
さらに、整備後も施設が継続的に利活用されるよう、有馬温泉が持つ「強み」や「弱み」を踏まえた利活用メニューやルール、ワークショップで得られた地域住民のアイデア、河川空間のオープン化といった事業スキームを盛り込んだ「有馬川の活用に向けた提言(案)」を策定しました。
これらを検討条件に取り入れ、親水広場の改良設計および遊歩道の詳細設計を行いました。特に親水広場は面的に整備することから、従来の二次元図面では細部の設計意図が施工者に伝わりにくいと考え、完成形の3Dモデルを作成しました。その結果、限りなく設計イメージに近い施設が整備できたと感じております(※2020年7月親水広場完成)。
※2021年9月時点の情報です。
3Dモデルによる親水広場完成イメージ(親水広場と同視点)
完成した親水広場
プロジェクト詳細