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兵庫県立明石公園「こどもの村」にインクルーシブ遊具を導入
実績

すべての子どもが一緒に楽しく遊べる場所

兵庫県立明石公園「こどもの村」にインクルーシブ遊具を導入

# 官公庁のお客様 # 国内 # 都市・地域 # まちづくり

誰もが楽しめる遊び場の整備に向けて

明石市にある明石公園は、明石城を中心に造られた都市公園であり、1918年に開園した長い歴史を持つ県立公園です。その北端に位置する遊具エリア「こどもの村」には、木製の複合遊具やキリンぶらんこなどの遊具があり、家族連れや近隣の幼稚園の遠足などに利用されていました。しかし、こどもの村の一部の遊具は、2000年に設置されてから20 年以上が経過し老朽化が進行しているとともに、2014年に安全規準が改訂され、安全性の観点から見直しが必要でした。
また、利用者の幅広いニーズに応えるため、障がいの有無や年齢などを問わずすべての人が楽しく遊べることを目指した「インクルーシブ遊具」の導入の必要性が広がりをみせはじめていました。
そこで、老朽化した遊具を撤去し、障がいの有無などに関わらず誰もが利用できる遊び場の創出に取り組みました。

  • 整備前の複合遊具(現在はありません)

  • 整備前の複合遊具(現在はありません)

利用者の声を反映した検討

本業務では、まだ日本での取り組み事例が少ないインクルーシブ遊具を整備することが求められていました。
こどもの村の全体計画の作成では、障がいの有無や年齢、アクセス性などの多様な視点から整備の方向性やゾーニングの考え方を整理し、複数案検討しました。その上で発注者や兵庫県まちづくり部、指定管理者も交えた合同会議で遊具の種類や配置、安全性などの観点から比較検討を行い、最良案を選定しました。
遊具の検討では、障がい者団体や近隣の幼稚園などの教育施設、実際にこどもの村で遊んでいる家族などへの複数回にわたる聞き取り調査を踏まえ、座位を取ることが難しい子どもが横になって利用できる皿型シートのぶらんこや車いすのままデッキの上部まで登ることができる複合遊具、肢体不自由な利用者も遊べる振動遊具、自閉症の利用者に配慮したドーム型遊具などを選定しました。
また、夏場の熱中症対策としてミストシャワー付きの休憩施設や転倒時の衝撃吸収のためのゴムチップ舗装のほか、ベンチや水飲み場など遊具以外の施設はユニバーサルデザインにも配慮しました。
さらに、詳細設計では設計図面や材料計算書などを作成し、概算工事費を算出しました。また、配置予定施設に関して構造計算書の作成やメーカーからの参考見積の徴収も行いました。

こどもの村は、2023年9月末にリニューアルオープンしました。多くのメディアにも取り上げられるなど、インクルーシブ遊具を整備した公園として注目されています。

※2024年12月時点の情報です。

  • 整備後の遊具:寝そべった状態でも乗れる皿型シートのぶらんこ

  • 整備後の遊具:車いすのままデッキに登れる複合遊具

  • 整備後の遊具:こどもの村の下段広場の全景

プロジェクト詳細

    業務名 :明石公園こどもの村改修設計業務
    発注者名:兵庫県加古川土木事務所