対津波人命救助の「最後の砦」
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対津波人命救助の「最後の砦」
2011年3月11日に発生した東日本大震災をきっかけに、全国の自治体において津波の浸水予想の再考がされています。地域の避難計画が見直されることにより、津波の到達時間までに高台へ避難することができない地域、いわゆる避難困難地域に住む人々や自力で高台まで避難することが難しい高齢者などの避難困難者を救うため、これまで南海トラフ地震に備え四国地方を中心に建設が進められていた津波避難タワーの整備が全国各地で求められるようになりました。
そう遠くない将来、発生することが予想されている大地震動によって引き起こされる津波から命を守る「最後の砦」として地域の特徴や要望に合わせた津波避難タワーを検討、設計することにより地域防災の一助を担うプロジェクトです。
おいらせ町明神山防災タワー
津波の浸水深、対象避難人員といった基本的な条件を満たし、計画地の立地に合わせた構造体を比較検討の上決定することはもとより、「展望台を兼ねた施設にしたい」、「積雪寒冷地に整備する施設なので、長期の避難にも耐えられるよう屋内避難が可能で暖をとれる施設にしたい」、「風雨を遮ることができるよう、外周部に開閉機構を備えたものにしたい」、「階段が流されるような不測の事態に備え、2ヶ所に階段を整備したい」等、自治体の皆様からの様々な要望に対応しました。
使用しやすく管理のしやすいLPガス発電機の設置や地震の揺れを感知し開錠するキーボックス、男女の別等で使いやすいように避難室を可動式のパーティションにより仕切られるようにする、網戸が強風で飛ばされないよう内動のものを採用する等の工夫を凝らし、利用者や管理者の目線に立った設計を心掛けプロジェクトの遂行にあたりました。
ポータブルLPガス発電機
室内側に設置された内動網戸
プロジェクト詳細