実績
草加市「漸草庵 百代の過客
(ぜんそうあん はくたいのかかく)」
草加松原に溶け込む数寄屋造りの本格茶室
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草加松原に溶け込む数寄屋造りの本格茶室
旧日光街道沿いにある国指定の名勝「草加松原」。その綾瀬川を挟んだ対岸、草加市文化会館の一角に、茶道をはじめとする和の文化・芸術に親しみ、市内外へ発信するための施設として本施設が計画されました。弊社は基本・実施設計から工事監理まで長期間に渡って携わり、平成31年2月に竣工を迎えました。草加市と松尾芭蕉の「奥の細道」を通じて交流があった日本文学者ドナルド・キーン氏により「漸草庵 百代の過客」と命名され、平成31年4月に開館しました。数寄屋造りの茶室は、時と共に使い続けていく中で、少しずつ寂(さび)れていき、詫び(わび)の美意識の中で昇華されていくことでしょう。
草加松原(綾瀬川対岸)から望む
小間への躙口(にじりぐち)
北側正面
ふすまで仕切られた二間続きの広間(8帖)と次の間(6帖)を中心に、草加松原を見渡せる広縁と、玄関・取次から水回り(トイレ・台所・大水屋)や小間・寄付きに通じる廊下により、回遊性と連続性を持たせることに重きを置いて計画しました。躙口(にじりぐち)や貴人口を備えた茶道専用の「小間」は、三帖台目中板(3+3/4帖+板の間)で、待合を配した日本庭園と共に本格的な茶事に対応します。玄関脇には立礼席(19帖)があり、普段はお休み処として、呈茶のもてなしを受けることができます。伝統的な数寄屋技術・工法・材料を用いることにより、技術の継承と伝達、そして建物の長寿命化も目指しました。
※2021年9月時点の情報です。
茶道専用の小間(三帖台目中板)
呈茶でもてなす立礼席
プロジェクト詳細