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森村橋復原プロジェクト
実績

100年前の技術者の想いを紡ぐ歴史ロマン

森村橋復原プロジェクト

# 官公庁のお客様 # 国内 # 都市・地域 # ランドスケープデザイン # 橋梁

土木遺産「鉄の橋百選」
森村橋を現代に復原

森村橋は、1906年(明治39年)に竣工した鋼単純下路式曲弦プラットトラス橋(ピン結合)とよばれる形式の橋梁で、鉄道用トラス橋が国産化され始めた明治期に製作された数少ない現存する国産トラス橋の一つです。国の登録有形文化財に指定されており、土木遺産「鉄の橋百選」にも選定されています。
森村橋は、もともと民間の紡績工場の引込線用鉄道橋として建設されましたが、近代では自治体に移管され道路橋として活用されていました。建設から110年以上が経過し、何度かの改修を経て奇跡的に現存していましたが、本格的な改築が必要な時期を迎えていました。
本プロジェクトは、改築に伴い、できるだけ建設当初の姿を復原することを試みたものです。数少ない当時の設計資料から、現在の技術基準に適合するよう構造設計を行うとともに、アールヌーボー調の装飾類も復原設計しました。接合部分の腐食が激しく、部分的に新規材料へ取り替える必要があったため、一度解体した上で工場内で組み替え作業を行い、現地で再構築するという、大規模な改修工事となりました。
この取り組みが、今後の文化財の大規模改修に貢献すると評価され、2020年度土木学会賞において、田中賞(作品部門)を受賞しました。

  • 復原後のライトアップ状況

  • 復原前の森村橋

地域の観光振興のシンボルとして再生

森村橋はもともと民間企業の橋梁であったため、地元自治体では設計に関する図書をほとんど保有していませんでした。そのため、まずは関連資料(100年以上前の当初設計から現在に至るまでの改修記録)を収集し、近接目視による損傷調査や3Dスキャナーによる変状調査を行って、設計・施工計画を進めました。 しかし、十分な資料がそろわず、改修の履歴を読み解く作業は困難を極めました。なかでも塗装に関しては、さまざまな科学的手法を用いて分析を試みました。その結果、50年ほど前に、日本で初めてジンキー(亜鉛メッキ)による橋梁塗装が森村橋で試験的に使われたことが明らかになるなど、歴史的な大発見にもつながりました。 森村橋の再生事業に際しては、単なる歴史的文化財としてだけでなく、地域の活性化や観光振興への寄与を目指して整備を行いました。橋詰にはポケットパークを、また美しい夜景を演出するためにフルカラーの照明を設置しました。 放課後には子供たちが橋の上に集まってくるようになりました。自動車の通行がない森村橋は、安全な遊び場にもなっています。夜には季節ごとにプログラムされた色とりどりのライトアップで彩られます。 現在では、地域住民らが「森村橋保存会」を発足させ、地域に愛される橋として、地域振興のシンボルとなっています。


※2021年9月時点の情報です。



【表彰】
●2020年度土木学会賞 田中賞(作品部門)
●2021年度土木学会インフラメンテナンス賞(インフラメンテナンス プロジェクト賞)

  • 当時の設計計算書の一部

  • 3Dスキャナーによる変状調査

  • 高欄の装飾類の細部まで意匠の復原を目指しました。

プロジェクト詳細

    業務名 :森村橋点検及び補修・修景復原設計業務
    発注者名:静岡県小山町

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